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Countdown to Extinction / MEGADETH
火薬バカ一代 ★★ (2007-04-20 23:31:00)
大胆なサウンド・チェンジが奏功して、MEGADETH史上最大のヒット作となった'92年発表の5thアルバム。
スラッシーな疾走感をグッと控えめにして(ミドル~ミドル・ハイ/テンポが中心)、リフにしろ、曲展開にしろ、
Gソロにしろ、かなりの簡素化が図られた楽曲は、良く言えばソリッドで無駄がない、悪く言えば地味めな仕上がり。
実際、本作を初めて耳にした時は、ドラマ性が大幅に後退してしまった内容に肩透かしを覚えたが、
よくよく聴き込んでみれば、リフの切れ味に鈍りはないし、シンプルにまとめられた収録曲は
いずれも非常にキャッチーで、大ヒットも納得だ。
小気味良く疾走する①、冷酷に刻まれるリフにゾクゾクさせられる②、メランコリックなBラインが印象的な⑦、
ボーナストラックとは思えない一際アグレッシブな⑫・・・。そして何より、これらの楽曲を説得力十分に歌いこなす
デイヴ・ムスティンのVoが大変素晴しい。ぶっちゃけ、本作の魅力の半分くらいは、特異な個性を保ったまま
天井知らずの成長を続ける彼の歌唱(歌メロ)が占めているんじゃなかろうか?
これまで外側へ向けられていた攻撃性が内側へ向けられ、グツグツと煮詰められて爆発寸前のテンションを孕んだ作風は
如何にも90年代的だが、ここまでクオリティが高ければ文句も出ない。(曲の出来・不出来にバラつきが見られる点は気になるけど)
MEGADETH版『BLACK ALBUM』の評価も納得の1枚。
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