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Iron Maiden / IRON MAIDEN
こうじ ★★ (2005-08-02 12:40:00)
このバンドの影響は極めて大きく、多岐にわたっている。
昔のジャーマンメタルからメロディック・デス、メタルコア、そしてオフスプリングやサム41まで。
「速くてドラマチックな曲展開」や「哀しくも雄々しいツインギター」など、聴いてすぐ分かるものが多い。
そしてその元ネタって、3rd以降のアイアンメイデンなんである。
彼等の影響下で唯一、初期のサウンドを引き継いだのはスラッシュメタルだった。
昔ジャーマンやらメロデスやらに夢中だった頃、
このバンドも中期のドラマティックな路線が好きで、初期はあまり聴いてなかった。
最近聴き直して、改めて凄ぇわ、と思っているところ。
このサウンドには、今後メタルが進化していく上での重要な鍵が隠されているように思う。
リフをメインにしてロックをやるのは、難しい。
だから皆、装飾に走る。やれ歌メロだ、展開だ、ツインハーモニーだ、速弾きソロだ、と。
だがそれらは、ロックの本質ではない。
ロックをやる上で骨や筋肉をちゃんと鍛えないで、
服装や髪型ばかりに気をとられていると、メロスピのような幼稚で軟弱なものに辿り着く。
メロデスもネタ切れ気味だし、メタルコアもさして革新的だとは思えない。
スラッシュを引き継いだデスラッシュも、単調なリズムに走りがちだ。
ツェッペリンが、パープルが、AC/DCが、モータヘッドが偉大なのは、リフが偉大だからだ。
独自のグルーヴを持っているからだ。
初期衝動が宿ったリフを中心にグルーヴが走り、その上でドラマチックな展開が繰り広げられる。
あくまでロックンロールでありながら、へヴィメタルでもあるというサウンド。
これが初期アイアンメイデンの素晴らしさだ。確かに中期以降も素晴らしいが、
装飾に偏ったために現在の行き詰まりがあるんだと思う(世間は絶賛だが)。
この先、閉鎖的でオタク的なものに成り下がったメタルの中から、
世界を席巻するバンドは出てくるのか。その鍵は、「リフとの格闘」である。
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