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Heart / HEART
まっちゃん ★★ (2003-04-17 01:48:00)
キャピトル移籍後の第一段で、ハートにとっては復活作となる。80年代前半ハートは解散説すらささやかれるほどの低迷状態であったが、この作品のヒットにより完全にシーンの第一線に復活した。このアルバムをぬきにしてハートは語れないだろう。またこのアルバムがなければハートはとっくに消滅していたかもしれない。現在のハートの地位はこのアルバムによって作られたといっても過言ではない。
内容は、今までとはかなり変わっている。サウンドはキーボードやシンセサイザーを前面に出し、よりメロディアスでポップとなっている。プロデューサーに当時売れっ子であったロン・ネヴィソンを起用し、また外部ライターによる曲を多く取り上げ(10曲中6曲が外部ライターの曲)、売れるアルバムを意識して取り組んだことがわかる。
デビュー10年目にして、アルバムタイトルにバンド名をもってきた所が、起死回生の気合や意気込みを感じさせる。その努力のかいあって、アメリカで500万枚以上のセールスを記録し、グラミー賞を受賞するという快挙を成し遂げ、初の全米1位となった。シングルカットした曲も初の全米1位を含む4曲がトップ10にチャートインした。とにかく名曲、佳曲ぞろいのアルバムで捨て曲がいっさいなく、どの曲もシングルカットできそうである。
また、アルバム全体もコンパクトにまとまっており、どの曲を聴いても適度にハードで適度にポップな洗練されたサウンドが魅力だ。まさに上品でノーブルで洗練されたハートのイメージに一番しっくり来る名作である。80年代を代表する名盤といっていいだろう。このアルバムの成功により80年代後半の路線が確定され、本作品と「バッド・アニマルズ」「ブリゲイド」で全盛期ハート3部作となっている。
ハートのオリジナルアルバムを初めて聞く場合、ハードロックファンなら「ブリゲイド」を薦めるが、それ以外の人にはまずこの「ハート」を薦める。
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