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Promised Land / QUEENSRYCHE
絶叫者ヨハネ ★★ (2006-02-24 20:58:00)
Queensrycheの絶頂期の終幕を飾る深遠な作品。まるで「不帰の境界線」の間近へ行ってしまったかのごとき闇(くら)い世界を垣間見せてくれます。まるで思索に沈む哲学者のようなたたずまいの音楽。

しかし、これは渋い。もう激渋。たまに飲むおばあちゃんの玄米茶より渋いこと間違いなし。あまりに渋くて、飲んで味わうのがすごく大変。ですので、
Dragonforce最強ーーっ、とか
チルボドは神っっっ、とか
と熱く叫ぶ、前途有望なメタルスクール新入生の方は間違ってもこれに手を出してはいけません。
撃墜率ほぼ100%だと思いますので。

かくいう私も、先に「Rage for Order」「Operation〰」に聴きなじみ、Rycheの音楽にはもう慣れたぞと密かに自負していたにもかかわらず、あえなく撃沈。これを理解するのに数年余りの「感性の熟成期間」を経なければなりませんでした。途中で一度売ってしまい、思い直してまた買いなおした(やけにたくさん中古屋にあり、しかも安かったのが幸い)アルバムでもあります。とりあえず買ってから聴いて楽しめるようになるまで、最も長くかかったCDだと思います。

今作はそれほど、「ダークで」、「地味で」、「(曲も歌詞も)ヘヴィで」、「強烈に渋く」、不敵なまでに「難しい」作品といってよいでしょう。まるで「オマエら、俺たちのやってることについてこれるか!!」とばかりに、リスナーの知性と感性に真っ向から挑んでくるような野心的な作品。本当にファンに甘い顔をしないバンドだ。しかしこれがアメリカでかなり売れたのが、またすごい。

Operation〰のようなストレートな感動やエキサイトメントとは無縁であり、お世辞にも万人向けとは言えませんが、中身がたいへん濃く、非常に聴き応えのある作品です。前作から4年の歳月をかけただけあって、楽曲・コンセプト・音作り(おそらくロック史上最高ランク)等の細部に至るまで練り上げられています。アルバムトータルでは全作中でも屈指、方向性こそ全然違うものの、完成度の高さはあのOperationにも匹敵すると思います。しかも、あまりに完璧すぎてこれが完璧であるということすら容易には感じさせないという点ではOperation以上かもしれません(Operation〰は聴いてすぐにそのパーフェクト度がわかるが、これはある程度聞き込まないと凄さが見えてこない)。
→同意