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Gutter Ballet / SAVATAGE
火薬バカ一代 ★★ (2007-07-17 22:15:00)
サイドGとしてクリス・キャファリーが加入。いよいよ陣容が整い、格調高いピアノの調べが
アメリカのバンドらしからぬ「気品」を演出する、クラシカルでドラマチックなヘヴィ・メタルという、
SAVATAGEならではのサウンド・スタイルを確立するに至った、'89年発表の5thアルバム。
ガツガツと引っ掛かり気味に力強く刻まれるリフ、劇的且つダイナミックな曲展開、かなり好き嫌いの分かれる
癖の強い声質ながら、起伏に富んだメロディをシアトリカルに歌いこなすジョン・オリヴァのVo、
バンドの要でもある、たっぷりと「泣き」を含んだ欧州風味満点の繊細なプレイで、アルバム全編に豊かな潤いを
もたらすクリス・オリヴァのGといった要素が、高いレベルで見事に融合を果たした楽曲の数々は、まさに唯一無二。
レコードで言うところのA面にドラマチック路線、B面によりへヴィ・メタリックな楽曲が並ぶ構成の本作だが、
やはりハイライトは前者。パワー/スラッシュ・メタル時代の面影を色濃く残すヘヴィ・チューン①こそ
ややテイストが異なるものの(でも良い曲)、SAVATAGE史上、いや、メタル史に残る超名曲として名高い
アルバム表題曲②に始まり、オーケストレーションをフィーチュアしたクラシカルなインスト曲③、
悲哀に満ちた前半から、希望に満ちた後半へと劇的に展開していく様が圧巻の名曲④の盛り上がりを経て、
アウトロ的小曲⑤で幕を閉じるその構成の素晴しさは、言葉を失うほどのドラマ性の高さを誇る。
勿論、クリスの華麗なGプレイを伴った、静と動の対比が見事な⑦、胸締め付ける哀メロに彩られた、タイトルからして美しいバラード⑩を
収録したB面パートも、捨て曲なしの充実度で最高。ただ、CD用ボーナス・トラックの⑪は蛇足だったかな。(悪い曲ではないが)
SAVATAGEのアルバムに名盤は多いが、彼らの最高傑作として1枚挙げるなら、間違いなく本作を推す。このCDを聴け。
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