この曲を聴け! 

Odyssey / YNGWIE MALMSTEEN
うなぎ ★★ (2003-11-24 22:45:00)
イングヴェイ初聴アルバム。88年のリアルタイムリスニング。
今思えば、これから聴き始めてよかったなぁと思う。
前作までに比べれば言ってることもやってることも圧倒的にキャッチーだからわかりやすいし。
様式美とはなんぞや、速弾きとはなんぞや、ポップさが前面に出てると総スカン、なんていう数々の、
知らなくてもよさそうでもあり、知っててよかったことを、このアルバムから教わったかなぁと。
別段ジェフ・スコット・ソートやマーク・ボールズがあかん、と言っているわけでもないのだが、
ジョー・リン・ターナーだったからこそ後から聞き及んだレインボーにもなじめたし、
ついでにイングヴェイを遅くしたのがリッチー、と思ったら、リッチーに抵抗感が無かった。
んでインスト曲やクラシカル・チューンにもなじんでいける結果になったわけで、
いろんな見聞を広げるきっかけとして、やっぱ個人的に感謝しなきゃいけないアルバムだなぁと思った。
そういう意味で「このアルバムを聴け」にはふさわしい作品ではないだろうか。
これほどいろんなことがわかりやすい作品はなかなか無いと思う。
どこがよくて、どこが悪い、私的にはどう、公的にはどう、それはなぜか…、
などなど、ホントにたくさん教えてくれるのだから。
さておき…、個人的にはこの作品が一番好きです。
この作品には他には無い「漆のようなツヤ」があるような気がして。
他の作品は「むき出しでザラザラだよっ!」「ニス薄塗りでカラカラ」「セメダインでべとべと」だったりで
(わかりにくい例えだなぁ…)、確固としたサウンドプロダクションがホントにできてない人だなぁと思う中で、
これは漆黒のジャケットのごとく、作品として染め上げられた楽曲が均一感をかもし出せていることで
(漆塗りお椀セットみたいな)、つまらない曲をつまらなくすることがない、
まるでEUROPEの『THE FINAL COUNTDOWN』的な良さ(笑)がここにあって。
その貢献が高いのは、歌モノ楽曲としてマッチしすぎたジョーの表情あるボーカルワークと、
ヤンス・ヨハンソンのポップセンス溢れすぎのサウンドメイクではないかな。
むしろ前後の作品なんかはこんなに極端に突出できていないから、やや食傷気味になってしまうのではないだろうか。
変に考えすぎちゃってて。それを許し迎合したこの作品に、他にはない魅力が出たんじゃないかなと思う。
とりあえずベストトラックは『Crystal Ball』。
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