この曲を聴け! 

Angels Cry / ANGRA
電動親父 ★★ (2006-05-03 15:43:00)
HELLOWEENが日本で大成功を収めた後、
イモ洗いの様にフォロワーで埋め尽くされたメタル業界だったが、
現在生き残ってるのはブラガとこのANGRA位であろう。
そんな彼らのデビュー作ANGELS CRY。
当時ブラジル出身といえばSEPULTURA位しか認知されてなかったし、
ANGRAの音楽を聴くのは未開の地に足を踏み入れる様な気持ちだった。
当時BURRN!のレビューとHELLOWEENスタイルという言葉につられて即買いした。
真紅の空と麦の穂の大地の間に立つ女神像の神秘さ漂うジャケットをあけて
CDをプレーヤーに入れた。
な、何じゃこりゃ~~~~~!!!
UNFINISHED ALLEGROの穏やかな様式美溢れるインストから、
静けさを打ち消すかの様にかの名曲CARRY ONが現れた時はマジで衝撃が走った!
あえてこの曲の魅力は周知の通りなのでこれ以上は割愛するが、
正直この曲が全てを持って行き過ぎているので、
アルバムのバランスとしての評価が微妙である。
余計な曲も入ってる。ケイトブッシュの嵐が丘を何故選曲したのか?
奇をてらったのか、高音ボーカルのアピールか、
どの道アンドレ自身の声の弱点を露呈してしまった。
CARRY ON以外が悪いわけではないが、驚くほどの名曲でもないのも事実。
とは言えタイトル曲ANGELS CRYやEVIL WARNIGなど疾走の中に
クラシカルフレーバーを散りばめるといった今のメロスピの礎をここで構築した
功績は大きく、のちにRHAPSODYなどクラシック+メロスピの形を武器とする
多くのANGRAフォロワーを生み出す事となる。
EVIL WARNIGにはクラシック色が濃く出てるが、もっとVIPERの様な
劇的クラシカルな展開を随所に詰め込んでも良かったのではと今更ながら思う。
NEVER UNDERSTANDの様なグローバルな空気の曲も有り、
VIPERに比べると同じ疾走曲でも少し大人びた雰囲気だ。
因みにNEVER UNDERSTANDはラストの5人のギタリストによるソロバトルは必聴。
このアルバムから10年以上の年月が流れた今もCARRY ONは多くの人に支えられ、
そして同郷からANGRAのスタイルを踏襲したAQUARIAが、
今彼らの作り上げた伝統を受け継いで頑張っている。
弱点もあったがブラジリアンスピードメタルはこのアルバムから始まり、
今もなおその歴史を綴り続けているのは間違いない。

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