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Bent Out of Shape / RAINBOW
うなぎ ★★ (2004-12-31 20:05:00)
このアルバム、最近久々に聴いた。実におよそ10年ぶり。月並みだけど、実に充実した作品だな、と改めて感動。
本作でのリッチーのプレイ。なんていうか"素晴しくアーティスティック"だなと。『DOWN TO EARTH』以降の"ポップ路線"っていう流れの中で、"楽曲の中でのギターの立ち位置"が一番しっくりきてるかな、と。時に荒々しく、時にさりげなく、駆け引きに満ちた絶妙なプレイ。それまでの"押し付け"的な印象や薄っぺらさもなく、素直に曲中に溶け込んで非常に印象的な響きを放っていると思う。
よき理解者でもあるロジャーのプロデュースに磨きがかかり、リッチー以外のメンバーは、ジョーを中心に、楽曲の根幹構築へ最善を尽くし、その土台の上にリッチーのサウンドを効果的に取り入れるような、楽曲主義的なサウンドメイクがようやく確立したのかなと。それゆえ、リッチーのプレイに無駄や散漫さは全く感じない。
特に「Cant' Let You Go」は絶妙。「Smoke on the water」のAメロ的なバッキング、盛り上がりでのコード弾き、サビメロを追いかけるような単音弾き、そして緩急あるメロディアスなソロ…。普段どおりのリッチー節に見えるけど、常に楽曲が彼のプレイをリードしているように聴こえる。それだけ楽曲自体が充実し、リッチーとは離れた場所でも存在できることによって、新たなリッチーの立ち位置を作ったのかな、と。
こんな感じで、楽曲を楽しみながら自由なリッチーを感じることが出来るという、優れた作品ではないかな、と思う。
その試行錯誤のために、それ以前の3作品が存在するのかもしれない・・・ぐらいに。
本作で一幕を下ろしたRAINBOWに続いたDPは、この時期のRAINBOWサウンドに近いとされているけれど、リッチーとロジャー的には再びこの"立ち位置"を牽引しようと、ギラン/ロード/ペイスと対峙し、今ひとつしっくりこなかったか、もしくは飽きてしまったか・・・再びリッチーは袂を分かってしまう・・・。単に、ギラン/ロード/ペイスと、ジョー/ロゼンザール/バーギとの比較、というわけではないと思うけど。
いずれにせよ、この作品がリッチーの長いキャリア中の"ピークのひとつ"なわけで、彼を楽しむ上で避けては通れない作品であることは否めないと思う。
→同意