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Free as a Bird / Anthology 1 / BEATLES / BEATLES

no name ★★★ (2005-10-24 04:50:48)
ジョンの作ったサビが残りの3人によって息吹を吹き込まれ、結果としてただ綺麗なだけでなく、人生について何か考えさせられるようなテーマを含有した曲に生まれ変わりました。
こんなにも深く、美しく、心に沁みわたるロックバラードを俺は知りません。
もちろん恋愛を題材にした素晴らしいバラードなら沢山知っていますが…
紆余曲折を経て、家庭愛に満ち溢れた穏やかな生活を手に入れたのもつかの間、銃弾によって打ち砕かれたジョンの人生。
ビートルズとしての栄光の期間を共に過ごした無二の親友ジョンを思わぬ形で失い、空虚な思いが残されたままのポールの余生。
不仲説があれこれ取りざたされた二人でしたが、それは音楽家としての確執であって、ベースとしてジョンとの友情はポールにとってどれだけかけがえのないものだったか。そんなポールのジョンに対する、もう決して届くことのない儚いアピールが感じ取れて、何か一層胸にこみ上げてきます。
ジョージやリンゴにとっても、ポールと立場は違えど同様の気持ちがあったでしょう。3人がそれぞれ、ジョンたちと共に過ごした、自由に音楽を作り鳴らした日々とは何だったのか思い巡らしたことでしょう。そういう意味でもこの曲は、一連のアンソロジープロジェクトの象徴的な曲と言えるのではないでしょうか。