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MSG / MICHAEL SCHENKER GROUP
HIRO-SKYWALKER ★★ (2005-07-28 09:48:00)
案の定、コージパウエルはマイケルの曲の特性を理解できなかった。いろいろバンドに入ったが、彼の直線的なドラムは唯一、リッチーのギターにこそ合い、「バトル」となる。ある意味女性的で、ウエットでセンチメンタルな陰影描写をふんだんに盛り込み、リズムも神経質に細かく割り込むマイケルの楽曲に、ベック時代から一変し繊細なスティックワークを捨て去りヘビメタドラムの親玉に変わり果てた彼のドラミングが合うわけがない。今のジャイアンツの清原のような、チームに会わない「お荷物」な「大物」状態のこのアルバムでのコージーのプレイは対等なバトルを演じるのでもなし、かといってサポートに徹するのでもなし、ハードドラミングであるにもかかわらず、奥にすっこんだような音像のプロデュース処理は、メンバーたちには不評だが、上の意味からもやむをえない処置だったと思う。それにつられてマイケルのソロプレイもただスピーディなだけのものになっている。彼独特のハツとするようなメロディのひらめきも、フックにあふれた印象的なラインはわずか数箇所に感じられるのみ。ペンタトニック手グセ一発、コージーやっぱりロックはパワーとスピードだよね、みたいにつまらないプレイの方向に引きずられてしまっている。このアルバムのマテリアルならもっと抑揚に富んだ、ドラマチックな作品になりえた。UFOとMSGファースト以外に、自分を理解してくれる周辺スタッフに恵まれなかったマイケルが不憫でしょうがない。
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