この曲を聴け!
OM / NEGURA BUNGET
Usher-to-the-ETHER ★★★ (2010-06-08 21:33:00)
2006年発表の4th。
この人たち、相変わらず鬼すげぇ…。
一言で言えば、民族的なメロディのトレモロリフや、民族楽器を使用したパーカッシブなリズムを取り入れたペイガン/フォークメタルに、厚みがあり、神秘性を感じさせるキーの導入や、ギターノイズの音質や、楽器の聞こえる位置など音像の操作、SEの挿入などのアンビエント・ブラックの要素を合わせた音楽性、と言えると思いますが…普通のバンドはメタル要素が希薄になったり、アンビエント要素が効果音的な使い方に過ぎなかったりする事が多いんですが、彼らの音楽性では両者が不可分一体であるのが凄い。
しかも、叙情的で、凍てつくようなトレモロリフの響きや、それだけに特化すれば十二分に特徴となりうる豪速ブラスト、パーカッションに奥行きのあるキーが合わさった時に生ずる魔的な雰囲気などを聴くと、どちらかだけでも質の高いものを作れる気がするんですよね…。
それが、両者を高めあうように組み合わさっているのだから、凄いのは当然かも。聴いていると、深く暗い森に誘われていき、気がつけば澱んだ空の異次元に紛れ込んでしまったような錯覚を覚えさせる作品で、メタルとして優れていながらアンビエント的であり、またメディテーション音楽のような趣のある音だと思う。
因みに、私が買ったのは中国盤で、ボーナストラック2曲と、訳詞・解説付き。まずルーマニア語もちゃんと訳しているところが素晴らしい。日本盤って、英語じゃないと横着して訳詞書かないことが多いですからね…。そもそもこの作品自体、日本盤出てないですからね…クソっ、妬ましい……。
日本も、優秀なメタルバンドの開拓とか頑張って欲しい。
中国に負けてちゃ駄目です。
→同意