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四季楽典 / 5150
Usher-to-the-ETHER ★★ (2010-05-16 10:32:00)
「シンフォニック東方」シリーズで同人メタル界に衝撃を与えた、5150氏の送る
オリジナルアルバム第一弾。2010年発表。
作風的には、「シンフォニック東方」シリーズを踏襲した、多重録音による合唱的な
ハーモニーと歌謡メタル風の歌メロ、大仰なキーボードとクサいリードギターによる
絢爛豪華なメロディック・スピードメタル。1曲のみですが、昔のCOF風のシンフォニック
ブラックもあり。「壮大で大仰…それこそ正義」帯叩きそのまんまの音楽性です(笑)。
個人的に驚いたのは、歌謡メタルの命綱である歌メロが、非常に優れている事。
特にLeo Figaro氏とZUN氏が共作したような「Remember Calm」、SOUND HORIZONの
疾走曲を思わせる「Little Garden」、メロスピ特有の萌え上がる緑を思わせるような、
多少気恥ずかしいメロの聴ける「Dive to my Heart」など、龍5150氏本人が歌う曲は
それこそ東方やSOUND HORIZONと勝負出来る、超一流のクサさ。
また、数曲で如何にもメタルシンガーらしい強靭さと荒々しさを兼ね備えたヴォーカリスト、
つかさ氏が参加していますが、彼の歌う曲には、彼の声の力強さが映えるような、
パワーメタル然としたメロを当てているのがまた素晴らしい。人の声を活かす事に関しても
かなりの才能があるのではないでしょうか。ただ、肝心の5150氏自身のヴォーカルは、
パワーメタル的暑苦しさ、V系的ナルシーさを排除した結果なのか、見事なナヨ声に
なってて、正直魅力的とは言い難いかも…この人、声質自体はほんと良いんだけどなぁ…。
あと個人的に不満だったのは、イントロダクションから2曲目の繋ぎが最悪なこと。
イントロ終了→一瞬だけ無音→イントロの終わり部分が一瞬だけ再生されて2曲目開始…
この流れ、何か意味があるんでしょうか。ぶっちゃけこのアレンジ大っ嫌い。
トラック分けに妥協したみたいで、テンション下がる。本編は凄く良いのに。
しかしこれ聴くと、この人には東方よりオリジナルを演って欲しいと思いますね。
東方系のアレンジは氾濫しすぎてるせいで、即効性が高く他と比較して楽しめるという
利点があるかわり、目新しさが少なくて飽きも早いんですよね。まあ、「永遠の巫女」とか
「キュアリアス上海古牌」とか、知名度低めのクサ曲アレンジなら聴いてみたいですけど。
それよりも、これだけレベル高いなら唯一無二のオリジナル曲のが聴きたい、と言うのが本音です。
→同意