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Catharsis / 黒夜葬
Usher-to-the-ETHER ★★ (2009-09-29 22:59:00)
前作からはアレンジがカオティックになり、様式美的な健全なかっこよさからゴシック的な
血腥さにシフトした印象を受けたんですが、今作はその路線を引き継ぎつつ、より「感覚に
訴える力」を増した作品に仕上がったのではないかと思います。
リアルに焼き尽くされる感触を覚えるような「焔葬」、終末的光景が眼前に広がる「空ろなる
ヘリオスフィア」を始め、第6感に訴えるようなピアノが聴ける「無意識パラノイア」…。
ここまで演出の上手いアーティストは、海外のメタルバンドでもごく一部といっていいでしょう。
しかもそれが、演奏のかっこよさ、メロの良さは当然のものとした上で成されているのが凄い。
黒夜葬は、ダンテの「神曲」の地獄をモチーフにしたオリジナルEPでデビューしてますが、
今作に至り、よりリアルな宗教的/霊的/魔的な光景の表現に成功したのではないでしょうか。
単に様式美やシンフォな音を取り入れただけではない、感性の面でも「ゴシック」に染まった
ゴシックメタルアレンジの傑作。ただし、アレンジが凝りまくっているせいでメロは少し
引っ込んでいるため、多少好みが分かれるかもしれません。私的には、音の情景をより
楽しむために、大音量で聴く事を推奨。宗教的情景を、相当の臨場感を持って体感できます。
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