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Alloy / SKEPTICISM
Usher-to-the-ETHER ★★ (2009-01-23 21:17:00)
2008年発表の4th。
極度にスローなリズムに引き摺るリフの、葬式ドゥームそのものという感じの音ですが、
最大の特徴は全編にフィーチャーされたオルガン。オルガンが音像全体に占める割合は
ギターと同じくらいあるのでは…というくらい前に出されていて、それが個性になってると思います。
激重ドゥームとオルガンの音色が共に持っている特徴として、「人に畏怖の感情をもたらす」
というのがあると思うんですが、正にそこに絞ったような使い方をしてますね。
もちろん「音を神々しくする」「メロディアスにする」部分もあるんですが、やっぱり
「畏怖」の感情に訴えてくる所が一番大きいと思う。こういう音像からは、例えば
暗闇の中死に向かって階段を一歩一歩上るであるとか、生命誕生以前の海であるとか
様々なシーンが思い浮かぶんですが、どれも根源的な畏怖を感じるような情景。
…ここまで音像がイマジネーションを刺激する、個性的なものだと曲自体は似たようなものに
なってしまいそうですが…刻みリフとドラム、オルガンの圧力で殺しにかかるような
「March October」、分かりやすいメロのオルガンリフが聴ける「Antimony」、キーの
音色を変え、ギターと相まってリスナーの眼前に音の絶壁を作り出す「Pendulum」など
曲ごとの個性も十分にある辺り流石ベテランという感じ。言うまでもなく、デスヴォイスの
深みや引き摺るリフの重さなど、基本的なクオリティも非常に高いです。
ネットでも紙媒体でもその筋の人が挙って絶賛してたので期待してましたが、期待通りの作品。
MOURNFL CONGREGATIONも新譜を出したし、WORSHIPも来日したらしいし、最近何気に
このジャンルって活気があるような…音自体は活気とは無縁な暗さですが(笑)。

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