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EAU ROUGE / 金谷幸久
火薬バカ一代 ★★ (2008-12-20 11:19:00)
元EBONY EYESの様式美HMギタリスト、金谷幸久が'95年に発表した1stソロ・アルバム。
当時はEBONY EYESの事も、彼がどんなミュージシャンなのかも知らずに、帯に書かれた「紫の神々が失ってしまった
熱き虹色の輝きを継承するメロディカル・ギタリスト」なる大仰なキャッチコピーと、元TERRA ROSAの赤尾和重(Vo)に
岡垣正志(Key)、元WOLFの黒木政彦(G)&堀江睦男(Ds)、そしてマルチ・ミュージシャンの加瀬竜哉(B)といった、
豪華なゲスト勢の顔触れに釣られて本作を購入したのだが、これが正解。テクのひけらかしに終わらない、
しっかりと構築された叙情フレーズを丁寧に奏でる金谷のGプレイを中心に、まさにこの面子が奏でるに相応しい、
コテコテのジャパニーズ・・・というか関西風様式美HMサウンドが、頭から尻までギュッと詰め込まれた1枚であった。
赤尾が歌い、岡垣がKeyを弾いているという事で、非常にTERRA ROSA度が高い内容ながら、↑上で失恋船長さんが
指摘されている通り、赤尾のVoがイマイチ精彩を欠くため(テンションが低いのは、雇われ仕事だからなのか、声が衰えたのか)
歌入りのナンバーよりも、劇的に疾走する③、しっとりとアコギが爪弾かれる序曲⑥から繋がっていく、
10分近くに及ぶドラマティカルな大作⑦、情感豊かに紡ぎ出される哀メロが胸を締め付けるラス曲⑩といった
インスト・ナンバーの方が、より魅力的に聴こえてしまうのが何とも勿体無い。
とは言え、彼女の歌の上手さは相変わらずだし、何より本作は、赤尾のパワフルなVo、金谷と黒木のスリリングな
ツインGの絡み、流麗なKey、そしてタイトなリズム隊とが激しく火花を散らして疾走する⑨の存在に尽きます。
個人的には、本作の魅力を凝縮したかの如きこの名曲が聴けただけで、アルバム購入代金の元は取れたというもの。

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