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Raging Steel / DEATHROW
火薬バカ一代 ★★ (2008-12-20 11:16:00)
長らくCD化が待たれていた、ドイツはデュッセルドルフ出身の暴走軍団DEATHROWが'88年に発表した2ndアルバムが、
1st『SATAN'S GIFT』('86年)と共に遂にリマスター再発。しかも(帯と解説を輸入盤にくっつけただけの仕様とは言え)
国内盤のリリースまで実現したのだから、最近出回っていたリプロ盤に手を出さず、ずっと我慢して待ち続けた甲斐が
あったというもの。(余談ながら、解説文を担当しているのは日本が世界に誇る暴走スラッシャー軍団FAST KILLの伊藤昭博だ)
で、肝心の内容に関してなんだけど、これが↑上の方々同様まったく文句なし。2枚目と言う事で少しは丸くなるかと思いきや、
つんのめり気味に爆走するスラッシュ・サウンドには微塵の曇りもなく、寧ろその猛々しさはデビュー作をも凌駕する勢い。
しかも今回は、ハリス・ジョンズをプロデューサーに迎えて音質が多少なりとも改善、メンバーの技量も高まり、
併せて曲展開にこれまで以上に緩急が持ち込まれた事で、楽曲のダイナミズムやドラマ性も飛躍的に向上・・・と、
バンド側が、自身の暴走っぷりをしっかりと制御している点が素晴しい。
大仰なファンファーレに導かれてスタートする②、濁声Voがメロディアスに歌い上げる、勇壮且つ劇的な④、
凝ったアレンジと曲展開が魅力の⑤、機関銃の如く刻まれるリフ&リズムが一気呵成に畳み掛けてくる、DEATHROW史上
最速のスラッシュ・ソング⑥、IRON MAIDENばり⑨といった楽曲は、従来の突撃感覚と本作より強化された
メロディ分(ドラマティックなツイン・リードG)が上手く組み合わされた、本編の大きな聴き所じゃないかと。
DEATHROW入門編としてお薦めしたい、ジャーマン・スラッシュ・メタル史に燦然と輝く名盤の1つ。

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