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緋のローレライ code;Я / 六弦アリス
Usher-to-the-ETHER ★★ (2008-08-23 01:23:00)
2008年に「緋のローレライ code ; Я」と同時発売されたアルバム。
製品番号からしてこっちが5thで、「Я」が6thだと思います。
六弦アリスの音楽の特徴といえば、単にメタリックなリフやリズムを取り入れるだけでなく、
一流のメタルと同じくらい、フレーズの一つ一つに妥協がない…というものがあると思うん
ですが、今作では音質のヘヴィさもメタル並になり、そうした美点が更に際立つようになった
と思います。今までの六弦アリスの作品の中でも最もメタリックな作品ではないでしょうか。
もちろん、他のどのジャンルを探しても、こんなにキャッチーで、美しくて、クサくて
かっこいいものはないんじゃないかと思わせるような歌メロも健在。
ヴォーカルも枚数を重ねる毎にパワーアップしてますが、今作では美しいソプラノまで
使って歌唱力の高さを見せ付けてくれます。…そういう声楽的な歌い方にしろ、ポップス寄りの
歌い方にしろ、上手くなってるだけじゃなくて自信と確信に満ちてきているという印象も。
ただ今作はシアトリカルな雰囲気や狂気の表現のためか、鼻にかかった歌い方を
多用してますが、個人的には2nd辺りの歌い方のほうがストレートで好きだったかも。
…「ルナティック・ラヴ」「Alice in the Nercosis」など、六弦アリスの描く世界観って、
いわゆる「普通の人」とは違う感性を持った人が周囲との軋轢に苦しむ、というのが根底に
あるものが多いと思うんですが、今作もそうした路線ですね。ただ、前述の作品と結末が
似通っている(主人公が最終的に人を殺す)ので、そろそろテーマは維持しつつ、違った結末の
物語も演って欲しい所。ショッキングなテーマでも繰り返すと刺激が薄れてくると思うし。
同時発売の「code ; Я」もほぼ同じ路線ですが、どっちか一枚だけ買うならばボリュームが
あり、「月影カーニバル」という分かりやすいキラーのあるこっちでしょうか。
でも「Я」のトリッキーな曲も捨てがたいし、二枚同時購入がベストでしょう。漫画も付くし。
ちなみに今回は店で二枚買うと3000円で、二枚合わせても長さは60分に満たないので、
同人としては高い…というか、普通にメジャー価格(笑)。しかし、衝撃的な安さこそ
なくなったものの、値段以上の物を提供してくれていると思わせる質の高さは変わらず。
このジャンルが嫌いでない限り、買って損という事は絶対にないかと思います。

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