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Crossfire Barrage / CROW'SCLAW
Usher-to-the-ETHER ★★ (2008-07-09 23:03:00)
2008年発表のフルレンス。
地下で一大トレンドとなりつつある上海アリス幻樂団(ゲーム音楽)のカヴァーアルバム。
以前、このサイトの掲示板にて、「ゲーム音楽のクサメロとメタルの音が融合したら、
凄い事になりそうだけど現時点ではリフが微妙なのが多いし、もう手を引こうかな…」
的な事を書き込んだことがあったんですが、ごめんなさい、このジャンル舐めてました。
ぴずやの新譜これといい最高なんですが。あそこで手を引いてなくて本当に良かった…。
トレモロリフ単音リフ大好きブラックメタラーの私としては、このアルバムのリフは
全体的にグルーヴ偏重に感じてしまいますが、そんな私でさえ認めざるを得ないくらい
重くて、かっこいいです。似たようなフレーズで延々と引っ張ることなく、主旋律の展開に
連動してドラマティックに聞かせてくれるので物足りなさは全くないですね。
このジャンルでは主旋律にシンセを用いる傾向が強いですが、この作品ではシンセはあくまで
要所要所で使われているくらいで、リードギターで弾いているのも大きな特徴だと思います。
主旋律自体も(カヴァーだけど)そこらのメロスピやメロデスなど「メロディック」が付く
バンドに対し「これ以上煽情力のあるメロディ書けるもんなら書いてみろや」と挑発するくらい
扇情的だし、それを弾くギターもただ弾くだけじゃなく、情感が篭もってるのも良いですね。
…特に主旋律に関しては、マジで一流のメロスピ・メロデスバンドにもこのレベルのメロディが
書けてるバンドって、滅多にいないと言えるくらいのレベルに達してると思うんですが…。
曲調もミッドテンポでヘヴィなものや9分弱の大作、シャッフルでグルーヴィなものを交えた
バラエティに富んでますが、ファストチューンに至ってはメロデスのデスヴォイスの代わりに
リードギターをより多く入れたような、ただでさえメロディックなメロデスを更にメロく
した感じの作風まで聴けます。しかも、前述したように主旋律の扇情度はメタルの中でも
頭三つくらい抜けたトップクラスですからね…そのメロでその曲調、殺す気か、って感じです(笑)。
原作はシューティングゲームらしいですが、確かにファストチューンでは戦闘機が高速で
飛び回りながら爆撃してるような視覚効果があると思います。6曲目はミディアムですが、
ボスを撃墜して優雅に飛び回る戦闘機の勇姿という感じの映像が浮かんできます。
多分、原作に戦闘機とか出てこないと思いますが(笑)
この間買ったぴずやの新譜も素晴らしかったし、今年はこのジャンルの当たり年かも…。
両者とも明らかに成長しまくってるんですが。よりエクストリームで、シンセに重きを
置いたものが聴きたければぴずやを、主旋律やリードギターの扇情度を求めるならこちらがお勧め。
ちなみに、値段は約1000円。この値段に慣れると、国内盤とか買えなくなりそう…(笑)
音質も含む作品の質は一流と言えると思いますし、費用対効果が他と比べて高すぎなんですが。
→同意