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Killing Season / DEATH ANGEL
火薬バカ一代 ★★ (2008-06-01 23:22:00)
積極的なワールド・ツアーと、メンバーの家庭の事情(子供が生まれたり)とが重なって、
前作『THE ART OF DYING』から実に4年ぶりのリリースと相成った、再結成第2弾(5th)アルバム。
DEATH ANGEL復活をファンにアピールするため、比較的、判り易くストレートなスラッシュ・メタル・アルバムに
仕上がっていた『THE ART~』に対し、プロデューサーにRUSHなんかとの仕事で知られるニック・ラスクリネッツを
迎えて制作された本作は、モダンでソリッドなサウンド・プロダクションといい、スラッシーな疾走感はやや控えめに、
濃い口のメロディや、捻りの効いたリズム&グルーヴの強調された楽曲といい、バンド側が追及したいと考えている音楽性が
より前面に押し出された、意欲的に曲作りの幅が広げられた作風に仕上がっている。
サウンド的には『ACT Ⅲ』を彷彿とさせるノリだが、ファンク風味は(前作同様)殆ど感じられないし、
何より、叙情的なアコギに導かれてスタートする①や、ライブでの盛り上がりが目に浮かぶような②、
ハードコア風味の④、畳み掛けるように疾走する⑧といった、DEATH ANGEL印の高速スラッシュ・ナンバーもしっかりと収録。
ただ、そうした楽曲以上に、本作において印象に残るのは、アグレッシブ且つエモーショナルな「歌」を聴かせる
マーク・オセグエダのVoや、劇的で濃密なツインGの絡みを活かした、ダークでメランコリックな70年代HR風味の③、
尻上がりに速度を上げていくダイナミックな⑤、呪術的にうねるリズムと、劇的なインスト・パートが組み合わさった⑨、
本編最後をメロディアス且つドラマティックに締め括る、アルバムのハイライト的存在の名曲⑪といった楽曲だったりするわけだが。
スラッシュ・メタル・アルバムと言うよりは、DEATH ANGEL流HMサウンドが、全編に渡って展開されている1枚。
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