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Manierisme / MANIERISME
Usher-to-the-ETHER ★★★ (2007-09-12 13:14:00)
2006年発表の1stアルバム。666枚限定、シリアルナンバー入り。
このバンドは解散してしまったので、これが唯一のCDリリースみたいです。

パッと聴いた印象では、XASTHURやLEVIATHANなどのアメリカ勢にも通じる音質のノイジーさが醸し出す邪悪さや、MUTIILATIONや3rd以前のDEATHSPELL OMEGA等のフランス勢に通じるメロウだけど病んでいるメロディを取り入れた、良いとこ取りの良質なプリミティブブラック…という感じだったんですが、アルバムを聴き進めて行き、音にハマりこんでいくと、どこか日本の村社会的な粘着質な恐さも感じられる音ですね。

発狂したり儀式の詠唱みたいな声を出したりするヴォーカルもそういう感覚を強めてます。
戦前の日本、土着の神に生贄を捧げる風習がある寒村で、儀式の最中に祭主を務めていた当主が発狂、村人とたまたま村を訪れていた新聞記者を斬殺して自殺、そしてこれがその新聞記者の持っていたテープに収められていた映像である…みたいな光景が浮かんできます(笑)

猟奇的で血腥いけれど、どこか耽美さも感じさせるような独特の雰囲気。
サタニズムよりも猟奇性やオカルト性が強い感じ。結構前衛的な展開もあり、メロディもかなり良くて丁寧な作りの作品だと思います。ただ、中盤一瞬だけ音がでかくなる所があるのは少し不満。折角の酩酊感が途切れてる気がする。

これ、上記したバンドの作品群にも劣らない名盤だと思うんですが…
プレス数が限定されているのと、もう解散してしまっているのが本当に惜しい。プリブラ好きなら、見つけたら即買い推奨のアルバム。

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