この曲を聴け! 

Sworn to the Dark / WATAIN
Usher-to-the-ETHER ★★★ (2007-05-29 22:59:00)
2007年発表の3rdアルバム。

本人達は過去の作品について「核爆弾を作ったはいいが、それを落とす為の戦闘機がない」と流通の乏しさを嘆いていたようですが、このアルバムはこの界隈では大手のレーベルであるSeason of Mistから出ているので、その不満も解消されたのではないでしょうか。実際、私もこの作品で初めて彼らを知りました。

音楽性のほうですが、本人達はそれほど意識しているわけではないようですが、DISSECTIONが良く引き合いに出されているようですね。確かに、ヴォーカルの切れ味の鋭いがなり声、叙情味のあるメロディが絶妙のタイミングで炸裂する展開のドラマティックさなど音像が割と近いことに加え、メンバーの一人がDISSECTIONにライブメンバーとして在籍していた経歴があったり、引き合いに出されるのもよく分かります。

しかしそれ以上にDISSECTION的だと思うのは、個人的な意見ですがこの作品を聴いていると彼らの「The Somberlain」にも通じる、初期ブラック特有の禍々しさが強く継承されているように思えてならないからかもしれません。DISSECTIONと比較すると、雰囲気は寒々しいと言うよりもどちらかといえば毒々しさや禍々しさが強いように感じます。

また、音質もクリアながら低音が効いていて音圧があり、ベースもよく聞き取れますね。結構メロウなフレーズを弾いたり、ゴリゴリ言わせたりベースが重要な役割を担っているパートも多いのでこれは嬉しい。DISSECTION以外には、DEATHSPELL OMEGAやMARDUKも引き合いに出されていたのを見たことがありますが、そうした毒々しさや音の太さを考えれば、充分に頷けます。

纏めると、メロディ、展開、雰囲気など隙の無いクオリティの高いブラックだと思います。DISSECTIONやMARDUKが行ければ大丈夫だと思うので、是非初心者の方にも聴いて欲しいです。

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