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ファンタジア~2nd Sign~ルナティック・ラヴ / 六弦アリス
Usher-to-the-ETHER ★★ (2007-04-30 09:37:00)
2007年発表の2nd。
前作では新人とは思えない完成度と、卓抜したメロディセンスで聴き手を驚かせた
六弦アリスが、待望の二枚目のアルバムをリリースしました!
音楽性は前作同様、プログレ(っていうかシンフォニックロック)から強く影響を受けた
サウンドですが、今回はトラッドの要素が減り、代わりにメタル要素がやや強くなった感じです。
民族的な要素を強く取り入れればメロディがクサくなるのはある程度必然だと思いますが、
今作のメロディの良さが民族要素がより濃かった前作にも全く劣らない素晴らしさという事を
考えると、六弦アリスは真にメロディに対して卓越したセンスを持っているということが
出来るのではないでしょうか。今まではSOUND HORIZON辺りが最もキャッチーなメロディを
書くアーティストだと思っていましたが、強烈なライバルが現れたと見ていいでしょう。
また、ヴォーカルもかなり上手くなっていると思います。
前作に収録されている曲の中で、今作の作風を示唆するものは「始まりの雨。」だと
思いますが、「始まりの雨。」と今作のタイトル曲を聴き比べてみると、かっこいい曲に
おいての表現力が段違いに上がっている事が良く分かります。歌いまわしの中に、
コンセプトの、少年の「間違った確信」から生まれる冷酷さや狂気が表現されているのでは
ないでしょうか。…しかし、SOUND HORIZONの「ARK」といい、片霧烈火の「南天の木」と
いい、この界隈ではネクロフィリア的なものが流行ってるんでしょうか?
ダークな物大好きなので大歓迎ですが。
上で引き合いに出したSOUND HORIZONは最早万単位で売り上げるアーティストになって
しまいましたが、これを聴く限り六弦アリスも将来そうなってもおかしくないだけの
才能があるように思います。最も、本人のブログのコメントを見る限り、売れることに
そう興味が無さそうなのでこれからどうなっていくのかは分かりませんが…。
少なくとも、この作品を以って「六弦アリスのCDを買えば、素晴らしい音楽を聴く事が
出来る」という「ブランド」を確立したと見て間違いはないかと思います。
ちなみに、今作も前作同様、価格は750円。
…こんな素晴らしいものをこんな安く買っていいんでしょうか…。
なんか申し訳無い気分(笑)。欲なさすぎです。純粋に音楽を作るのが好きなんでしょうね。
こういうアーティストがレーベルの介入を受けず、自主制作で作品をリリース出来る場が
ちゃんと存在する日本の音楽シーンって素晴らしいと思います。日本万歳。J-POP万歳。
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