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Ordo Ad Chao / MAYHEM
Usher-to-the-ETHER ★★★ (2007-04-28 20:18:00)
ヴォーカルがManiacからAttilaへ交替しリリースされた4th。
タイトルの意味は「秩序から混沌へ」で合ってるかな…?
作風的には、前作「Chimera」の延長線上と見て間違いはないかと思います。
赤黒い血煙を思わせる刻みや、要所要所を占めるトレモロを駆使したBlasphmerのリフ捌きや、Hellhammerの時折ツーバスがありえない速度になっているドラミングが素晴らしい、狂性や邪悪さとテクニカルな演奏を両立させた、大御所に相応しいクオリティの高さを持ったブラック。
Disk Union盤に付いて来た解説を読むと、ここ最近のMAYHEMには解散説もあったらしいですが…アンダーグラウンドには例え狂性で上回っているバンドがいても、彼らの様にテクニックとそれを両立させているバンドってなかなか見つからないので、ほんと解散しなくて良かった…
個人的な印象としては前作よりも無機質さ・無慈悲さの感触が強まった感じで、聴いててどこかTHORNS辺りのインダストリアルブラック勢と似た情景が浮かんできます。もちろんバンドサウンドで押していくブラックで、インダストリアル要素がそう強い訳ではありませんが。
Maniacに代わり再加入したAttilaのVoですが、以前よりも更に表現の幅を広げてます。1stのような呪詛声やグロオペラ声はもちろん、コウモリを思わせる高音での悲鳴のような絶叫や、いきなり泣き笑い出したりといった演技派っぷりを発揮。正直、いきなり泣き笑いを始めた時はあっけに取られてしまいましたが…。
…ここまでなら前作同様、いや前作以上のかけがえの無い名盤になりそうだったんですが…前作と比べると、音質が悪いのが残念。篭もり気味なのは良いです。むしろ邪悪さが増すと思うので大歓迎。でも音が小さいのは…。同じ音量で、同じオーディオ機器を二つ並べて最新のJ-POP作品とこの作品を同時にかけたら、おそらく音量で負けてしまいます。
正直に言うと、音質のせいで最初聴いた時は「今回のMAYHEMはイマイチ…」という印象でした。3回目聴く頃には「あれ、結構良いかも…」、5、6回目には「流石MAYHEM!!」という感想になってきましたが、やっぱり音のボリュームは2~3目盛ぐらい上だと嬉しかったなぁ…。MAYHEMらしい素晴らしい作品ではありますが、音質だけは本当に惜しい…!!
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