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A Matter of Life and Death / IRON MAIDEN
我集院@譲治 ★★ (2007-07-11 10:59:00)

「戦記」の邦題を掲げた14thアルバム「AMatterOfLifeAndDeath」。
聴く者を奮い立たせる情熱と力強さ。
世界一の無鉄砲者。
世界一の負ケ知ラズ。
土煙を上げ100万馬力で突進するロックバンドIRONMAIDENが、
その威力を最大限に発揮したアルバムだ!!

前作で完成したギター3人編成スタイルに加え、リズム隊の存在感がぐっと高まり、
楽曲がガッシリとたくましくなった。
主軸が強堅であれば、曲の展開がいくら拡大しようとも、音楽がブレることはな
いのだということを実感。
華やかだったトリプルギターの関係が、よりタイトに団結している。
カミナリのように轟くベースでもって、スティーヴ=ハリスが強靱な鉄筋を築き、
ニコ=マクブレインの叩き出すビートが、MAIDENを力強く前進させる・・・!!
・・・IRONMAIDENはやはり、エンジンが強い。

ライヴレコーディングの臨場感は凄まじく、“ライヴの王者IRONMAIDEN"が持つ
底力に圧倒された。
たった二ヶ月でアルバム完成という製作時間の短さに不安を抱いていたが、
録り直しやオーバーダブなどの「“レコードを誤魔化す時間"を蹴り飛ばした」結果、
短期集中作業の実現に成功したという。
裸一貫ぶつかってくる男らしい潔さはサウンドにみなぎっており、頼もしい!!
ムチャはするけどイイカゲンができない頑固モノたちのアルバムに、
人間の力とはかくも凄まじく爆発するモノかと舌を巻いた(驚)。

「細かいこと考えて余計な手ぇ加えたら、俺たちのロックは死んじまうのさ!」
そこに感じる大胆さ・豪快さは、ヘヴィメタルよりむしろ
ハードロックのダイナミズムに近い気がする。
そのデッカイ作風(チマチマしてない曲作り)も含めて、
俺はそう思った。

凱歌を思わせるギターリフや、ブルースの雄々しい咆哮は、やはり勇壮でダイナ
ミックな曲でこそ、気高く栄える・・・!(泣)。
大作揃いであるこの「戦記」を聴き深めながら、俺はIRONMAIDENの良さをあらた
めて噛み締めた。
ブルース、デイヴ、エイドリアン、ヤニック、ニコ、スティーヴ。
3分かそこいらに収められるようなモンじゃない、MAIDENの“素晴らしさ"。
その本質と威力を誰よりも知るハリスには、自ら語りたい&バンドに語らせたい
“物語"が山ほどあるようだ!!

叙情感たっぷりな演奏で息を吹き込まれていく大曲の数々
まるで老獅子の語る英行譚に聞き入るような、奥深い気分になれる。
・・・が、
・・・中にはオッサンの長バナシに付き合わされてるよぉ~な、
クタビレた気分になる曲も、弱冠少々ぽっつりいくつかあった(汗)。
しかしそれでも、長尺の人間クサいドラマは、(老若男女問わず)聴く者が持って
いる“漢魂"に、熱く!暑く!厚く! うったえかけてくる。
あんな勇ましい声で
「Please Tell Me Now What Love Is」
なんて歌われたら、魂がシビれちまうよなぁ~

・・・気が付いたら、全曲好きになってましたとサ(照)。

本当に本当に、熱い男たちだと思う。なぁおぃオッサンもう50だぞ!!?
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