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A Matter of Life and Death / IRON MAIDEN
殺戮の聖典 ★★ (2006-12-17 11:30:00)
ブルース、エイドリアンが復帰しての3作目、通算で14作目となる'06年発表作品(邦題は「戦記」)。
プロデューサーは三度ケヴィン・シャーリー。
宗教や戦争といった問題をテーマにしていることから全体的に暗い雰囲気が漂う作品であるが、本作の特徴は何といってもその収録曲の長さであろう。
なんと収録曲10曲中、9分台が2曲、8分台が1曲、7分台が3曲あるといった具合だ。
しかし、無駄に冗長な曲は一切なく、次々と繰り出されるメロディの美しさと展開美に酔いしれること請け合い。
個人的にはスティーヴが真骨頂を発揮したドラマティック大曲の「FOR THE GREATER GOOD OF GOD」が一押し。
その他も、歌メロやギターのハーモニーにTHIN LIZZYの影響を感じさせる疾走チューン「DIFFERENT WORLD」、ギター・ソロとクワイアのユニゾンが壮大な「THESE COLOURS DON'T RUN」、重厚さと疾走感とが同居した「BRIGHTER THAN A THOUSAND SUNS」、中近東風のリフがいかした「THE PILGRIM」、ブルースの伸びやかな歌唱が素晴らしい「THE LONGEST DAY」、ブルースのソロ作品の名曲「TEARS OF THE DRAGON」に激似の「OUT OF THE SHADOWS」、風変わりなリフがヘヴィでかっこいい、リーダー・トラックとなった「THE REINCARNATION OF BENJAMIN BREEG」、ブルースのハイ・トーン・ヴォイスが壮絶な「LORD OF LIGHT」、秀逸なリフとダイナミックな曲展開が魅力の大曲「THE LEGACY」と、若干過去の曲の焼き直し的なフレーズはあるもののの、好曲揃いである。
バンドも円熟味を増し、ますますWISHBORN ASH化してきたとの印象を得た。
ただ、やはり強力な疾走チューンがもう1、2曲欲しい気はするが。
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