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Project One / SABER TIGER

凶獣に牙を。 ★★ (2007-06-28 22:26:00)
五人編成SABERの瓦解後、レーベル側から『海外の有名シンガーを入れてアルバムを創れ』と言われて制作された4th。
一時的なスペシャルメンバーで制作されたということで、
オリジナルアルバムの4作目というより、企画盤といった感じの趣であり、ソロワークスの位置づけに近いのだが、
SABER TIGER名義での発表ということで、事実上4枚目のオリジナルアルバムとして認識されている。
起用されたメンバーの経緯は、
Vo.には当初、ロニー・J・ディオを起用しようという考えがあったようだが、金銭面等の問題で早々に断念。
その後、様々なシンガーに打診した結果、承諾が返ってきたのがロン・キールであったのだそうだ。
リズム隊の二人は、当時北海道にクリニックで来ていた本間大嗣に連絡し、引き受けてもらうことに。
柴田直人は本間の人脈のツテで、参加が決まった。
今回のアルバムで特筆すべきは本間と柴田が紡ぐ剛健なリズムであり、今作の楽曲に心地よい重厚感をもたらしている。
元来続いてきたSABER TIGERのリズムの趣としては、異を唱えるファンも大勢いるだろうが、
個人的には、この強固なリズムこそがストロング&ヘヴィなSABER TIGERサウンドの理想形であるように思えてならない。
他のバンドのことをあまり引き合いにだしたくはないが、
再結成後のANTHEMよりも、こういった豪快で濃密な楽曲の方が本間のドラムは光るような気がする。
・・・躍動感全開の曲やアップテンポの曲では、ちょっとタイトさが際立ち過ぎてしまってはいるが・・・。

過去の楽曲以上の攻撃性・重厚感と叙情メロとの融合を兼ね備えた楽曲群からは、木下のこれからの活動への意欲的姿勢が伺える。
自分にとってこのアルバムは、ヘヴィ嗜好のSABERサウンドの理想形ともいうべき愛聴盤であり傑作である。
ヴォーカルに難がある以外は・・・。