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The Stench of Redemption / DEICIDE
火薬バカ一代 ★★ (2007-05-31 21:44:00)
北欧ブラック・メタル勢も裸足で逃げ出す、筋金入りのアンチ・クライスト軍団DEICIDE、'06年発表の8thアルバム。
まるで地獄の底から響いて来るかのようなグレン・ベントンのデス声、無慈悲且つ高速で刻まれるリフに、
ブラスト・ビート炸裂させまくりのスティーヴ・アシェイムのDs・・・と、楽曲は何れも絵に描いたように邪悪極まりない
デス・メタル・チューンばかりなのだが、勢い任せで押し切るのではなく、リフやリズム、歌メロ(特にサビ部分)に
ベテランらしくきっちりと強力なフックが仕掛けられているので、単調さとか、どの曲も全部同じに聴こえて
途中で飽きるといった、この手のバンドにありがちな弱点の類は一切ない。
そして何より本作の白眉は、今回から新たにバンドに加わった名手ラルフ・サントーラのG。元々、DEATHやICED EARTHの
ツアーに同行したりと、フロリダのデス/スラッシュ系バンドと強い繋がりを持つ人物ゆえ、DEICIDEへの加入も
それ程の驚きではなかったものの、とにかく華麗にしてメロディック、時に東洋的なフィーリングを濃厚に発散する
Gプレイは十分に驚異的。⑧のGソロなんて殆ど演歌(もしくは“巨人の星"のテーマ)が入っているような・・・。
ブルータルな曲調と見事なまでに美醜の対比を描き出す①⑨、ジャック・オーウェン(この人も逸材Gだ)との
劇的なツイン・リードGが思わずガッツポーズ物の⑥、そして本作のハイライトたる、イーヴルにしてドラマチック、
それでいてキャッチーさまで備えた名曲④のカッコ良さと来たら、筆舌尽くし難い程。
DEICIDEファンのみならず、普段はデス・メタルに興味を持たないメタラー(俺です)をも唸らせる強力な完成度を誇る傑作。

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