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Christ Illusion / SLAYER
火薬バカ一代 ★★ (2006-09-11 21:38:00)
速いから素晴しいのではなく、速くてカッコイイ曲を演ってるから素晴しいのですよ!と、
強く主張しておきたい、前作『GOD HATES AS ALL』以来、5年振りに発表された待望の9thアルバム。
デイヴ・ロンバートの出戻りという大イベントを経た所為か、原点回帰(この場合の原点は3rd『REIGN IN BLOOD』を指す)の
姿勢が強く打ち出されている感じで、ここ数作の「速い曲も演る」スタイルから一転、アグレッション漲る
スピード・チューンが収録曲の大半を占める。増加傾向にあった曲数も再び10曲まで絞られ、
ランニング・タイムも40分弱とスカッとタイト。それでいて異様なまでに密度が濃いので、
聴き終えた後に物足りなさが残らないという、まったく恐れ入る仕上がり。
小細工を排して、生々しく迫ってくるトム・アラヤのハイテンションVoの迫力も前作以上だ。
何より特筆すべきは、アグレッシブでありながら非常にキャッチーという点で、中でもジェフ・ハンネマンのメロディアスなGソロに
耳奪われる①、2本のGが刻むリフにゾクゾクさせられる⑤、印象的なサビを持つ先行シングル⑨なんかは、そうした部分が顕著に現れた名曲。
このキャッチーさ(ポップという意味ではないので悪しからず)あったればこそ、本作は「ビルボード初登場5位」という、
SLAYERの作品史上最高位の成績を収められたのではなかろうか。疑いの余地なく傑作。

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