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Schizo Deluxe / ANNIHILATOR
火薬バカ一代 ★★ (2006-08-23 22:23:00)
前作「ALL FOR YOU」に引き続きベーシスト不在のまま、ジェフ・ウォーターズが兼任する形でレコーディング
(リフが印象的な佳曲⑧ではリードVoも披露)、'05年に発表された11thアルバム。
似たようなスタイルを2作続けない事を旨とする(?)ANNIHILATOR。前作が大作主義に傾いたシアトリカルな作風だった事への
反動か、今回はコンパクトにまとめられた(彼らにしては)直線的な楽曲がズラリと並ぶ。バラードもない、かなり硬派な仕上がり。
ただ、ここで気になるのは、器用だがパンチに欠ける声質のデイヴ・パッデン(Vo)のありがちな歌唱スタイルが、
せっかくの楽曲の個性をスポイルしてしまっているように聴こえる点。③⑤⑨のようなドラマチックで多彩な表現力を
必要とする楽曲におけるハマリっぷりは、相変わらず最高なんだけど・・・。
とは言え、疾走感と勇壮なメロディが融合を果たした②⑤⑦のようなスピード・チューンは、
その辺りの不満を差し引いても十分カッコ良く、全体的な完成度には揺るぎはない。
また、今回はなかなか興味深いボーナス・トラックが何曲か収録されていて、1つはシングルのみの収録だった⑪。
全楽器が一丸となって突進する「らしい」スラッシュ・チューン。そしてもう1つは、バンド名をタイトルに
冠した⑬(4th収録のモノとは同名異曲)。リフ主体で組み立てられた、如何にも'85年という時代を感じさせるHMチューンで、
ジェフがNWOBHMから大きな影響を受けていたことが伺え、微笑ましい。
それにしても、これだけ素晴しい作品を発表し続けているのに、ここ暫く来日がないのはどういうことか。
単独公演が難しいなら、THRASH DOMINATIONに1バンドとしてでも構わないので、日本に呼んで貰えないもんかな~。

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