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Remains / ANNIHILATOR
火薬バカ一代 ★★ (2006-08-10 22:45:00)
ANNIHILATOR最大の問題作と言えば、やはりこの'97年発表の6thアルバムでしょうか。
何せレコーディング・メンバーはジェフ1人(全てのパートを担当)という、文字通りのソロ・プロジェクト状態。
内容の方も、シンプルというか素っ気無いデザインのアルバム・ジャケットに嫌な予感を覚えつつCDを再生してみれば、
1曲目から聴こえてくるのは、明らかに打ち込みのDs、無機質なリフ、エフェクトのかかりまくったVoといった、
如何にも90年代風の(当時としては)モダンなサウンド・・・そりゃファンもドン引きするわ。
2曲目以降も似たようなスタイルの楽曲が続く事からも明らかな通り、彼らのアルバムの中でも最も実験色の濃い1枚で、
複雑な曲展開を排して、ひたすらシンプルにアグレッシブに攻めてくる楽曲は兎も角、全般的にGソロに冴えが見られないのが痛い。
どうやら、私生活でのゴタゴタで溜まったフラストレーションが、もろ作風に影響を与えてしまったらしいのだが・・・。
とは言え、それで本作を駄作と切って捨てるのは早計というもの。ジェフの成長著しいVoが素晴しい、
ここ数作では出色のバラード⑥“IT'S YOU"を皮切りに、うっすらと哀愁を帯びたリフが駆け抜ける⑦“I WANT"
初期ANNIHILATORの空気を濃厚に漂わせたスラッシュ・チューン⑧“TRICK&TRAPS"⑪“REACTION"等、
中盤以降には聴き応えのある曲が並び、個人的には前作「REFRESH THE DEMON」よりも評価の高いアルバムだったりする。
実験色の濃い曲も、装飾を取っ払ってしまえば、骨格となるリフのアイデアは悪くないしね。
そんな感じで、単体としては結構好きな作品なのだが「じゃあANNIHILATORのアルバムとしてはどうなのよ?」と聞かれると・・・うーむ・・・。

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