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Withering to death. / DIR EN GREY
Usher-to-the-ETHER ★★ (2005-03-25 09:28:00)
2005年発表の5thアルバム。
自分の周りでは、このアルバムを大きく分けて「今までの集大成」と見る人と、
「VULGAR」にて確立した音楽性を更に押し進めて出来た作品と見る人の2通りに分かれる様です。
個人的には「VULGAR」と比較すると、キャッチーさは少し薄れ、その代わり混沌とした感じや
曲に漂う空気感はより濃いものになったのではないかと思います。
特に「愛しさは腐敗につき」「鼓動」などで感じられるレトロな雰囲気は今までのDirには
あまり見られなかったもので、その音楽性がより深くなっている事を伺わせます。
そしてこの傑作アルバムの功労者はなんといっても京さんでしょう…
凄い事になってます、詞も、歌の表現力も。
まず詞ですが、前作で正直気に入らなかった「蝕紅」「OBSCURE」などのB級っぽいグロ路線は
今回は殆ど見られず、抽象的な中に作詞者の吐き出したいものが見え隠れする、味わいのある
詞になっていると思います。特に亡くなったファンへの鎮魂歌として書かれた「悲劇は目蓋を
下ろした優しき鬱」は、京さんの辛い物事へも渾身でぶつかっていく様子が良く分かります。
そして歌ですが…今回、ホントに凄いです…
頭がイカれたかのような絶叫、人を小馬鹿にしたハイトーン、ミックスヴォイスに頼らず、
絶唱とも呼べるような堂々たる高音、ゾンビのような嗄れた声…etc
メタルのフィールドでもここまで表現できる人ってなかなかいないと思います。
この人、マジで後世にヴォーカリストとして名を残す事になるかもしれません。
色々と書きましたが、ずばり名盤です。
是非このアルバムを買い、千変万化のヴォーカルとカオスの世界に身を委ねましょう。

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