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Nemesis / AXE
火薬バカ一代 ★★ (2010-01-23 01:52:00)
ATCO RECORDS移籍以降は一気にHM色を強めたAXEだが、'84年発表のこの4thアルバムでもその路線は堅持・・・というか
寧ろ、今回は前作以上にその傾向を強めた内容に仕上がっており、正直、チープなイラスト・ジャケットの下、
フックに乏しい大味なHMナンバー①が疾走し始めた時には、一瞬「やべぇ」と頭を抱えそうになったが、どっこい②以降は
スペーシーな音色で叙情性を高め、楽曲に奥行きを演出するKeyサウンドを上手く活かした、AXEらしい哀愁のメロディを
纏った楽曲が並んでおり、ホッと一安心。曲名といい曲調といい、アメリカンなノリが強く打ち出された⑥のような
ロックンロール・ソングですら、大味にも能天気にも仕上げない彼らの曲作りの手腕はやはり頼もしい。
ただ、全体的に叙情性が薄れ、カラッとしたアメリカンHM風味が増強されているのは間違いなく、また劇的なキメ曲に
欠く後半の構成もあって、聴き終えた後の満足感は前3作に比べるとやや弱い。ウェットなメロディがアップテンポで
駆け抜けていく②(こっちを1曲目にして欲しかった)、AXEらしい哀メロが五臓六腑に染み渡る⑤、幻想的なバラード
⑪辺りは、並みのバンドじゃ逆立ちしたって作れっこない名曲・佳曲だと思うんだけど・・・。本編ラストに隠し
トラックとして収録された“MIDNIGHT DRIVERS ME MAD"も優れた楽曲で、確かシングルB面曲のリメイクだったかな?
中心メンバーの1人、マイケル・オズボーンの事故死に伴い、これがAXEのラスト作になってしまった事が
つくづく惜しまれます。(後に再結成したけどね)

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