元HOUSE OF LORDSのVoジェイムス・クリスチャンが1994年ZEROコーポレーションからリリースした1stソロアルバム。彼の骨太で艶のあるハスーキーな歌声をじっくりと聴かせてくれる叙情的なAORの好盤です。躍動感のあるロックなナンバーから渋いブルージーなナンバーとアメリカンな色彩の強い楽曲が収録され、歌モノが好きな方なら是非聴いてもらいたいですね。彼が歌うバラードタイプの楽曲は特にいいねぇ
3rd『DEMONS DOWN』(’92年)を最後にHOUSE OF LORDSが事実上の解散状態に陥ったことを受けて、フロントマンだったジェイムズ・クリスチャンが’94年に発表した1stソロ・アルバム。当時はゼロ・コーポレーションからのリリースでしたが、後にNIPPON CROWNからボーナストラック6曲を追加収録する形でリイシューもされています。(今じゃどちらも入手困難なのが残念) 華を添えるブルース・ゴウディ、マイク・スラマー、ミッチ・ペリーといったギタリスト達のゲスト参加に加え、作曲面ではHOUSE OF LORDS時代からの付き合いであるソングライター、マーク・ベイカーの助力を得て制作されている本作で聴けるのは、まさしくそのHOUSE OF LORDS時代の作風を忠実に受け継いだ、ほんのりブルージーな味付けも施されたメロディアスHRサウンド。 ほぼバラード系の楽曲の固め打ち、全体的にHR/HM色は薄めな仕上がりながら、だからこそジェイムズのエモーショナルな歌声が映える。立ち上がり①こそ多少地味な印象でも、「ドラマかCMで主題歌に起用されてませんでした?」と思わず考え込んでしまうぐらいフック効きまくりの名曲②で早くもクライマックスを迎えて以降は、これまた高いヒット・ポテンシャルを感じさせる③、躍動感溢れるロック・チューン⑦、物悲しいイントロからドラマティックに盛り上がっていく⑧等、本編には秀逸な楽曲が目白押しです。 スタン・ブッシュやランダル母娘といった腕利き作曲家が関与した2ndソロ『MEET THE MAN』も大変な傑作でしたが、本作だって負けず劣らず、探し出してチェックする価値は十分にある1枚かと。