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1. 火薬バカ一代 ★★★ (2024-05-08 00:49:36)

本国ではデビュー早々チャート№1の座にアルバムを送り込み、著名なミュージカルやディナー・ショーを手掛ける等、着実にキャリアを積み上げてきたというスウェーデン出身のシンガー/ソングライター、エミル・ジーグフリードソン(舌噛みそうな名前だ)、’24年発表の3枚目のソロ・アルバムにして日本デビュー作。
母国語で歌っていた前2作は完全にポップス・アルバムだったそうですが、SUPREME MAJESTYのメンバーを曲作りのパートナーに迎えレコーディングが行われた本作で披露されているのは、高揚感に満ちたメロディ、歌の合間をフラッシーに駆け巡るG、楽曲を華やかに色付けるKeyとが生き生きと躍動する80年代風味満点のポップ・メタル。かつてはアメリカのバンドのお家芸だったこの手のサウンドも、今や北欧メロハー勢がそのお株をすっかり奪ってしまった感がありますね。
主役たるエミールも、伸びやかで張りのある歌声から、フックを盛り込んだ曲作りの巧みさに至るまで、キャリアに裏打ちされた実力を十二分に発揮。VoだけでなくGも良く歌っている②、レディー・ガガのカヴァーながら完全にHRバージョンとして蘇った⑤、イントロが“EYE OF THE TIGER”を彷彿とさせるSURVIVOR調の⑨等、本編は捨て曲の見当たらない充実っぷりを誇っており、中でもタイトル通りスパニッシュ・テイストがピリリと効いた哀愁のメロディック・ロック・チューン⑦と、青春映画のEDテーマ曲といった趣きでアルバムを爽やかに締め括る⑫は本年度ベスト・チューン候補にも挙げたいくらいですよ。
メロハー界の有望株登場にホクホク顔になれる1枚。前2作も聴いてみたくなりました。



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