20年発表の初ソロアルバム。初ながらも彼自身のキャリアを総決算したような仕上がりになっていて、誰と曲を作っているかで曲のカラーがはっきり分かれているのも興味深い。 まずは自身の①、②は初期SAXONを彷彿とさせる軽快なロックナンバーでご機嫌にアルバムはスタートする。続くAkessonとの共作の3曲、特に④は今回のハイライトとも言うべきシリアスで聴き応えのある出来栄えだ!サイモンアンドガーファンクルの名曲⑥はちょっと浮いている気もするが、いい気分転換になっていると思う。 後半のCarterとの共作は今のSAXON風味満載で、ウィッシュボーンアッシュのカバー曲と合わせて3曲一気にブリティッシュの世界にいざなってくれる。音楽的にはアメリカンタイプのバラードの⑩は唐突感は否めないが、これも彼のアメリカで頑張っていた頃の財産であろうから無視できない歴史の一ページだ。そしてラストソングの自身の⑪では“This is my life”と主張するところはいかにも彼らしくて、長年のファンとしては微笑ましい気分にさせてくれる。 中身が素晴らしいので、最初はチープに感じていたジャケットにも最近は親しみを感じてきた(笑) 他人はどう感じるか知らないが、個人的には文句のつけようのない傑作である!