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IN ANOTHER TIME (2019年)
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IN ANOTHER TIME
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解説 - IN ANOTHER TIME
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1. 失恋船長 ★★★ (2019-08-23 22:23:35)

SATANのギタリスト、ラス・ティッピンズをフィーチャーしたUS産の4人組による1st。リリース元は老舗Metal Blade Recordsです。これが驚きの古典ロックサウンド。NWOBHM以前の英国サウンドを前面に押し出したサウンドは、過度なオーバーダブを排し、非常に生々しい仕上がりになっている。英国産のフォーキーな音色は幽玄な世界観を色濃く打ち出し、そこにSATANにも通ずるようなダークさが覆いかぶさってくる、そういう静の展開から、突き抜けるような疾走パートが入ってきたら一気にこちらのテンションもアップ。靄の掛かった叙情的なフレーズと、それにも負けない情熱的な演奏、それらが混然一体となり迫ってくる勢いたるや、充実の楽曲群と相まって、ありそうでなかった古典英国ロックの旨味を凝縮しています。URIAH HEEP+WISHBONE ASH×NWOBHMと言えばよいのか、例えが上手く見つけられないほど、所見から見事にハマってしまった。
存在をしってから二カ月になるのだが、今年一番聴いたアルバムですね。

所謂懐古主義のNWOTHMとは違う、その時代をリアルに体験した男だから描ける世界観。曲の中で途中から表情をガラリと変えるドラマ性、そしてラスとベース兼ヴォーカルの女性メンバー、シンディ・メイナードの二人によるツインヴォーカルも、浮遊感のある、たそがれた哀愁美が程良く映え、楽曲にいっそう英国的な湿度を含ませていく。そんあ湿り気たっぷりの音像の中でも、歯切れのよいシャープな演者のプレイはハンパないの熱量を放出しているのが凄い。

これだけ全ての個が強いのに、絶妙に絡み合い叙情性のあるメロディに溶け込んでいきます。古典サウンドから放たれる陶酔感。ワタクシの文才では、とても表現出来ない音楽がここにはありますね(頑張って頭を捻り上げても無理じゃ)。何度聴いても興奮するわ。これだからメタルは止められん。




2. kamiko! ★★★ (2021-10-23 14:35:58)

米国産NWOTHM2019年作
中年層より上のツボを突くと思われるHMを量産するドイツのUnderground Power Recordsというのがあるが、そのレーベル発の加Freeways、芬蘭Angel Sword
とコンピレーションCDで名を連ねたバンドがコレ。少なくとも、先に挙げた2バンドは鉄板級バンドなので、そこに肩を並べるならきっと凄いバンドだろうと
フルレングスアルバムをゲットした。但し、この盤はMetalBladeからのリリースで、NWOTHM的イメージが全く沸かないレーベルに若干不安を感じつつも
作品としては完璧に近いの内容、録音は古典的ロックを意識した必要最小限のエフェクトを志向しているが、細かい事を言えば、音量差にアンバランスさを
感じさせる箇所が散見されたり、いくら70年代的雰囲気を前面に出すからと言って、各々の楽器の最低限度の輪郭が崩れるほどの意図的な劣化はやり過ぎなのでは
と思うところがあったりと、録音面でもう一押しのクオリティアップを望まないでもない。ただ、マイカーで聴く分には少々の粗さは殆ど気にならない。
Russ Tippinsの前身Satanのドンシャリ感満載のギターに比べると、大人しめで落ち着いた雰囲気。Satanのやたら男臭い雰囲気はボクにとってはマイナスだったが
こちらはツインヴォーカルの一方が女声であり、聴いた最初はバービーボーイズかよ、と思ったが、コレがとても良い味わいになっている。
このバンドは米国産だが、70年代の雰囲気と仄かな英国情緒がある。初期Blue Oyster Cultに近い感覚がある。楽曲がとても作り込まれている上、演奏力は高く
その割にカッチリした演奏ではなく適度なラフさとグルーヴ感がある。そういう演奏とジャケイメージから、中期Uriah Heepの作風にも近い、と思わせる。
この盤を手に取る頻度はとても多く、愛聴度は結構高い。それだけ楽曲クオリティが高い。ただ、ひたすら集中して傾聴してしまうと録音の弱点に惜しいと感じる。
現時点でとても強力な盤なので、次作で難点を改善しクオリティアップすれば、歴史的名盤を作ってくれるんじゃないか、と相当期待しているバンドだ。



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