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1. 火薬バカ一代 ★★★ (2019-04-18 00:37:20)

RUNNING WILDのロックン・ロルフのバックアップを受け90年代前半に日本デビュー。マニアの間では(今は無き)チェコスロバキア共和国という出身地の珍しさでも注目を集めた、ラン・クレイソンことラディスラフ・クリチェク(Vo)率いる正統派HMバンドKREYSONが、アンディ・ラ・ロックをプロデューサーに起用してレコーディングを行い'13年に発表した、恐らく5枚目ぐらい?のフル・アルバム。ちなみに歌詞は全てチェコ語。
時間潰しで立ち寄った古本屋の500円CDコーナーで見覚えのあるバンドロゴが掲げられた本作を発見。「まだ活動していたのか」と懐かしさに駆られて購入してみれば、いやこれが嘗ての「イモ臭い部分含めて愛すべきB級バンド」的なイメージを根底から覆される力作っぷりに驚かされてしまいましてね。
以前は線が細く頼りなさのあったクレイソンのVoは、ダンディな低音からハイトーンまで力強くスムーズにグローイングアップ。そうした彼の歌声と、これまた別バンドと聴き紛うような逞しさで刻まれるリフ&リズムを伴いパワフルに突き進むサウンドからは、堂々たる貫禄すら漂います。と同時に、西欧のこの手のバンドと趣きを異する(デビュー当時から一貫してKREYSONの魅力の一つだった)東欧ならではのどこか寒々しい感触を宿した抒情メロディも勿論健在。特にドラマティックな序曲①とセットで、スラッシーとさえ言える鋭利なGリフをフィーチュアしてアグレッシブに疾走する②はアルバムの掴みに相応しい名曲。クレイソンのバリトンVoが映えるバラード⑨にも思わずうっとりですよ。
チェコ語の堅い語感がドラマティックな音楽性に非常にマッチしている1枚ではないかと。



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