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LIVING THE DREAM (2018年)
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LIVING THE DREAM
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解説 - LIVING THE DREAM
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コメント・評価

Recent 50 Comments



1. 火薬バカ一代 ★★★ (2018-10-21 00:28:19)

三大ブリティッシュ・ロック・バンド仲間(日本でしか通用しない括りらしいですが)のLED ZEPPELINやDEEP PURPLEに比べると、フォロワーを見かける機会がとんとなかったのも今は昔。ここ10年で明らかにURIAH HEEPに影響を受けたであろう音を出すバンドが北欧を中心に続々現れるようになった昨今、満を持して本家が’18年に発表した新作アルバム。(邦題は『桃源郷』)
実際の所バンドがそういったシーンの趨勢に触発されたかどうかは定かじゃありませんが、ともあれ、全体的にリラックスした穏やかなトーンが印象的だった前作『異端審問』に対し、サウンドをパワフルに駆動させるラッセル・ジルブリックの重々しいドラム連打で立ち上がる本作は、躍動感と適度な緊迫感を伴う①④⑧のようなアップテンポの楽曲を各所に散らした、現在の彼らの意気軒高っぷりを如実に伝えてくれる作風に仕上がっています。
ミック・ボックスの情感豊かなGワーク、今や「URIAH HEEPの声」と言えばまずその歌声を思い出すバーニー・ショウのVo、クラシック・ロックの風格をサウンドにもたらすフィル・ランゾンのKeyと、本編に託されたメイン・メンバー3人のパフォーマンスは、年相応の老け込みとも逆に無理めな若作りとも無縁。自然体で瑞々しく、特に終盤のソロ・パートにおいてミックがギタリストとしての真価を発揮するハード・ナンバー③と、バーニーの伸びやかな歌唱とフィルの抒情的なピアノ/ハモンドを軸として劇的且つ幻想的に展開される⑦の2曲は、秀曲揃いのアルバムの中においても一際眩い輝きを放つ名曲ですよ。
最初から最後まで一切不安を感じることなく没入することができる、まさに『桃源郷』を垣間見せてくれる充実作。このベテラン・バンド、恐るべし。




2. 正直者 ★★★ (2019-02-07 17:39:16)

50年の歴史を誇るベテランバンド。浮き沈みの激しい業界で一度も解散することなく続けてきた偉業はギネス級と言える。プロデューサーに迎えたジェイ・ラストンのハードワークが功を奏してか、ここ最近にないエネルギッシュなサウンドは還暦を過ぎた御老人とは思えないフレッシュなものに仕上がった。気持ちのいいシンプルなメロディ、テクニックや複雑なアレンジを包み込む構成、さまざまなジャンルのテイストを含んだ演奏は、自然体で鳴らされるから、ふと気がつくと聞きいってしまう。
懐が深い懐かしい音、昨年リリースしたベテラン組は、浅い原点回帰だった。SAXONしかりJUDASしかりだ。RIOTに関してはコピー&ペーストをくり返しただけの愚直な音を出して後世に汚点を残した。
そんな不甲斐ないベテラン組を見下ろすように、HEEPは聞いた瞬間に懐かしいと思わせるのに、現役感たっぷりのフレッシュな演奏で我々を魅了したのだ。全ては計算づくの懐かしさ。魂を揺さぶる全身全霊のプレイの数々、重厚でありながらも幻想的ともいえるメロディとアンビエント感、全てが崇高ですらある。一曲目を聞き始めたら最後まで一気に聞ける中毒性の高さも驚異的。




3. 失恋船長 ★★★ (2019-02-24 09:49:20)

近年における古典ロックの再興というのか復興ぶりには正直、戸惑いを感じずにはいられないのですが、なにはともあれ流行り廃りを追い求めないワタクシには腑に落ちない点はあれど、現代のリバイバルブームを素直に受け止めております。
そんな時代背景もあるのか、今作におけるURIAH HEEPの現役感には恐れ入った。これが結成50周年を祝うバンドの音なのだろう。
古典スタイルではあるが、荒々しいスピード感の増した音楽性、ミック・ボックスのギターは燻銀の味わいの中で若々しい逞しさ倍増、そこに多彩な鍵盤を操るフィル・ランゾンが濃厚な絡みでバンドサウンドに厚みを持たせ、このバンドならではの味わいを深めている。
真新しさなど皆無、しかし時流に乗ったと言うのか、自らも牽引したと言うのか、常に音楽性を研磨しつつ、鍛錬を怠らなかったバンドが積み上げた音楽性に嘘偽りなど一切なく、真摯にファンと向き合い求められるものを提示した形となった。

個人的には、ここまで鮮度の高い音楽性を披露となると、良くも悪くも深みに欠けるバーニー・ショウの存在かチョイと気になるのだが、それは無い物ねだりと言うものだろう。むしろ、ミック、フィル、バーニーの3人が集まりボーカルのディレクションやハーモニーを考えていると言うのなら、この3人の体制は正解なのだ。
オープニングが新ベーシストのボブ・リマーとジェフ・スコット・ソートが書いた曲を採用しているバンド体制にも健全さを感じる。それにしても、ここまで現役感を損なわないバンドと言うのは稀有である。DPは衰えたイアンのいる懐メロバンドだ。JPの威厳とクラシックナンバーで食つないでいる。両者とも雰囲気重視のバンドになってしまった。オジーはオリジナルサバスの時点で終わっている。今後は現代的なアメリカンマーケットとイメージを重視したスタンスで喰っていけば間違いは起きない。
そんなベテラン勢を尻目に、作品毎にフレッシュな風を送り続けるURIAH HEEPの凄さは感嘆あるのみ。売れようがタイムリーなスタイルかはさておいて、あるがままを受け止めロックし続ける姿こそ、一番メタルな生き方である。
今、一番若い人に触れて欲しい古典ロックの傑作。クィーンブームに乗り、こういうバンドも見直されたら良いのになぁ。




4. kamiko! ★★★ (2020-07-09 23:24:03)

英国産プログレッシブロック・オルガンロック2018年作
このバンドのサウンド体験は、メタル誌のプログレッシブロック記事を見て興味を持ち、Look at Yourselfをゲットしたところからスタートしたが
アナログシンセに傾倒していた先輩バンドマンの影響からか、1960年代後半から70年代初頭に英国で火のついたオルガンロックサウンドの
バンド群(Cressida、Egg、AffinityあたりのHR/HMの括りよりはオルガンを前面に出したロック)にハマるきっかけになったバンドだ。
そういう経緯がありながらも、意外にDeep Purpleにはハマらず、先に挙げたバンドと、このUriah Heepにハマった。
オルガンロックバンド群の中でも、ハモンドやメロトロンを無骨に大胆に導入した唯一無二のスタイルに魅せられたので、HR寄りの後期作品より
オルガンが前面に出た初期3作品が特に好みだ。オルガンが若干控えめになり構築的なプログレ要素とコーラスワークで聴かせるスタイルが
定番になり始めた頃の作品もカッコいいのだが、やっぱり初期のアナログシンセが暴れ回る作風のインパクトには敵わないなあ、と思う。
後期作品は、買い物中に発見したらとりあえず仕事のように買う、といった感じでゲットして、ワリと歯抜けにはなっている。この2018年作は
今年になってリリースを知ってゲットしてみた。もう50年も活動しているのか。全く凄いバンドだなぁと思う。
少なくとも、オルガンロック全盛時代から現代まで活動しており、HR寄りにはなったものの当時の英国オルガンロックの香りを宿すサウンドは
このバンドしか思いつかない。ただ、前作Outsiderが(嫌いではなく結構聴いたが)思いのほか期待ハズレ感があったので、この2018年作の購入も
随分と後回しになってしまった。しかし、前作の不振を払拭するどころか、相当なエネルギーを感じさせる力作で、単に完成度の高いオルガン入り
ロックサウンドという感じではなく、初期の暴れ回るグルーヴすら感じさせる快作なので、予想を超えていたクオリティに驚き、感動したよ。
ただ、そのグルーブを最も感じさせるのはオルガンではなく、相変わらずワウをブイブイと効かせるギターだ。そのギターとオルガンが絡むと
凄まじい音の渦に魅了されてしまう。また、楽曲は英国情緒のみならず、トラックによっては米国的な雰囲気のサウンドも登場し、懐の深さを感じさせる。
また、Dreams of Yesteryearの作風は、彼らの50年の歩みの重みを疑似体験させられるような、この盤のラストトラックを飾るに相応しい楽曲だ。
高密度の年齢を感じさせないエネルギーと、熟練の円熟したサウンドが同居している。流石に最もボクが好む初期のアナログシンセ大暴れの作風への回帰は
あり得ないので、現状彼らに求め得るサウンドとしては、100点満点のクオリティなんじゃないかなと思う。




5. YG ★★★ (2023-08-12 17:46:49)

ミック・ボックスの豪快なギター・ワークとフィル・ランゾン(key)のオルガンが対峙する楽曲は、不変のオールド・スタイルを貫いているが、抜群に音がいいのはジェイ・ラストンの手による明快な現代的プロダクションが奏功する。


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