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ONE OF A KIND (2018年)
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ONE OF A KIND
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解説 - ONE OF A KIND
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1. 失恋船長 ★★★ (2018-09-30 13:54:33)

ジョン・ロードが死去。長きに渡りDPのキーボードを務めてきたのはジョンだけだった。その偉大なる花形ポジションの後釜に収まったのがドン・エイリーになったのですが、そのプレッシャーたるやね。想像を絶する重責でしょう。DPの中ではリッチーと同等のイニシアチブを握っていたオルガンプレイの数々、ドンならば適任とも思える無難な人選に安堵したファンも多いでしょうね。ドンはクラシカルなプレイのみならずジャジーなサウンドメイクもお手の物、引き出しの多いプレイヤーですから、見事にやってのけているでしょう。正直リッチー脱退後のDPをまともに聴いた事がなく、老いさらばえたギランの歌声に萎えるだけなのでズッとパスしているのですが、ドンが入ってからの数枚は何となく聴いた事があるし、ライブを映像で見た程度ですから、偉そうなことは言えないのですがね。

そんなドンですが近年の精力的な活動には目を見張るものがありますね。2017年にピアノをフューチャーした落ち着いたソロ作をリリース。その次に着手したのはDPにも通ずる魅力を携えた古典ロックのオンパレード。合間にスローナンバーもありますが、血湧き肉躍るハードナンバーの数々に身を乗り出さずにはいられませんね。

懐かしい名前のローレンス・スコッティルとジョン・ファニガンによる燻銀のグルーブ、そして近年はソロ作もリリースし健在ぶりをアピールするSnakecharmerのサイモン・マクブライト。そして花形であるヴォーカルの座に就くのは、必殺請負人と呼ばれる、なんでも歌える男カール・センタンスと来てますからね。
このストレスを抱えずに済む気心の知れた実力派のメンツが、ドンと一緒に作り上げるんだから悪い内容になるわけがない。

特に比較対象の的になるDISC2のカヴァー集を聴き比べていただければカール・センタンスの力量もマクブライトの憑依ぶりも十分に味わって頂けるでしょう。オリジナルを壊さないが単なるカラオケ大会で終わらせないアレンジも聴きどころですよ。

本編も派手目の曲に耳が持っていかれがちですが、ストリングスアレンジが大胆に導入されたタイトルトラックの③のような聴き応えのある楽曲も用意。多彩な鍵盤楽器を持ちいり主役たる存在感をアピールするドンのキーボードを出しつつも、ボーカルを蔑にしないバンドサウンドは、パーマネントな活動を視野に入れているとも取れ、期待の持てる充実した内容を誇っています。

ドンはバランスのとれたキーボードプレイヤーですね。カールの歌も前面に出しているが、やはりマクブライトのギターを大きく取り上げ、両者が激しくぶつかり合うスタイルにDPの継承者としての誇りを感じますね。
⑤とか⑦なんてDPでやっても違和感ないしね。ギターソロもリッチーをモロに意識したプレイでファンの期待に応えているでしょう。2018年に古臭くない古典ロックの名盤に出会えるとは驚きです。カール・センタンスの歌が聴きたくて手にしたアルバムだっただけに、想像を遥かに超えるドンのコンポーズ力の高さと、自我を出さないバランス感覚に脱帽です。

恐らく売り出したいレーベルにとっては、DISC2のカヴァーは保険みたいなもんだったんでしょうが、ビシッと芯の通ったリリシズムと表情豊かな色彩美に溢れる古典ハードサウンドを楽しめる本編を前にすると完全にオマケにしかならない充実度があります。
流れがイイから、ピアノが活躍するジャジーな⑥聴いても全然ダレないもんね。選曲がいいんだよなぁ。



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