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1. 失恋船長 ★★★ (2017-09-26 13:22:53)

北欧を代表するハードポップバンドが2017年に新作をリリースするというニュースが飛び込んできたときは驚きました。個人的に、このバンドは凄く思い入れが強い。90年代の頭くらいからシーンの停滞というかグランジの勢いに押され、解散か方向性の変換を迫られる事態に陥り、多くのバンドが討ち死に&解散の道を辿ることに、国内シーンもその煽り&バブル崩壊の余波を受け、VOWWOW、ANTHEM、EARTHSHAKERの解散など(LOUDNESSも実質はリーダーの樋口が抜けたのだから解散同然)激動でした。当然大御所がやっていけないのだから、その下の様式美勢など駆逐させることに、これから俺は何を聞けばいいんだと、HM/HRへの興味が殺がれることになっていたのですが、そんな時に手を差し伸べてくれたのがZEROコーポレーション関連の作品であるDA VINCIの1stを聞いたのがきっかけでした。それまでは見向きもしなかった歌モノサウンド、勿論BON JOVIやEUROPE、TNTなどのメジャー級のポップロックや北欧サウンドなどは聞いていたが、あまりのエッジに欠けた音楽性は、メタルじゃないと頭ごなしに全否定、青春時代の青い思い出ですが、恥ずかしい過去でもあります。そんな先入観バリバリのワタクシのクソみたいな価値観を粉々に砕いてくれたのが、このバンドなのです。本当に『こっちの水も甘いぞ』って教えてくれたんすよ。

90年代にZEROコーポレーションからリリースされた時には、このバンド実態がなく当然新作がリリースされる事もなかったのですが、いつも心のどこかに存在していたバンドで、復活作や幻のデモ音源をオフィシャルからリリースなど、ズッと心待ちにしていた中で、ドイツのレーベルから新作が出るというのは今年度一番の衝撃でしたね。画的には現役感のないオッサンだったのでLIVEとかあんのかなぁ、継続していけのかなぁといったと豊田真由子議員ばりに不安な気持ちをミュージカル調で吐露しましたが、交じりっけなし純度100%の北欧オーロラハードポップ路線にて帰還というマニアの心に潤いと喜びを与える、往年の音楽性で復活。レーベルメイトのLIONHERATがそうだったように、彼らも以前よりはピリリとしたハードテイストも増されていて、そのあたりのバランス感覚は今の感性を無視していないと感じるし、ルックスは冴えないが、核となる質は以前よりも光り輝いていますね。

美旋律と透明感に満ち溢れた北欧ならではの音色、鮮烈なるインパクトを擁した意欲あふれる復帰作にまずは安堵しました。ダイエットして現役感だせよー(笑)来日して欲しいっす。




2. 火薬バカ一代 ★★★ (2017-10-23 23:04:18)

80年代に残した2枚のアルバムが、後にゼロ・コーポレーションを通じて日本でもリリースされ、メロディ愛好家達の間で評判を呼んだノルウェーのDA VINCIが再結成。のみならず凡そ30年ぶりとなる3rdアルバムまで発表してくれましたよ。
しかも音楽性の方も、前2作の美点をしっかりと受け継いだ北欧ハードポップを実践。哀愁を含んだキャッチーなメロディを、キラキラなKeyと分厚いボーカル・ハーモニー、それにこの手の音にぴったりフィットする、クセのない声質の持ち主である新Voのプレーンな歌唱とで包んだサウンドは、ジャンル愛好家の顔を綻ばせること請け合い。イントロ序曲①の後を受けて②が爽やかに始まった時には、こちとら「変わってねぇなぁ。最高か!」と、思わず膝を打ってしまったという。
正直なところHR/HMで括るには少々ポップ過ぎる作品ではありますが、オリジナル・メンバーとして踏ん張るグナール・ヴェストリー(G)とダグ・セルボスカー(Key)が、要所で耳を惹くセンスフルな演奏を閃かせ、楽曲内に思わずハッとさせられるフックを構築してくれています。特に、バンドの帰還を高らかに宣言する高揚感に満ちた④、流麗なタッチで奏でられるピアノが曲調のロマンティシズムに拍車を掛けるバラード⑦、キャッチーに躍動する⑥⑩、夜の首都高ドライブのBGMにしたらハマリそうなアーバン且つお洒落な雰囲気漂わす⑫等の楽曲は、変わらぬDA VINCI節が集約された逸品と言えるのではないでしょうか?
これ切りで終わらせず、今後の活動継続に期待を寄せたくなる1枚。



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