お隣は韓国を代表するHM/HRバンドの一つで、かつてLOUDNESSに挑戦状を叩きつけたとの噂がマニアの間で話題になった事でも知られる彼らが1987年にリリースした2nd。確かに歌い手も初期の頃の二井原実先輩をヒステリックにしたような声だし、ギターオリエンテッドな作風でアジアンテイストもあるが、ワールドワイドに羽ばたこうと苦心しており歌詞も英詩に変更。オープニングの『The Moon on the Baekdoo Mountain 』なんてANGEL WITCHがやりそうな曲だったリとブリティッシュテイストも満載と、音質は良くないがパワフルな演奏と借り物のアイデアが上手く組み合わさりエッジの立ったエネルギッシュなサウンドを披露。屋台骨のしっかりとした音楽性は聴き手の高揚感を煽り、ガッツ溢れる熱演に拳も振り上げたくなりますね。 垢抜けないC級メタルのどこが良いんだと言われると返す言葉も見つからないのですが好きなんですよね、この時代のこの手の音楽が、溢れ出る情熱、メタル愛溢れる入魂の一品を前にすると、いろんな問題に目を瞑り聴き通せるのがマニアの性と言うモノです。 年に一度は聴きたくなる情熱系韓流メタル、ボーカル兼ギターのユ・サンヒョン氏ですが、家庭の問題で今作を残し脱退、メタルじゃない音楽とプロデュース業で生計を立てるも、2009年頃に戻り今でも熱い正統派サウンドで勝負しているとは嬉しい限りです。家庭の事情がロックなんて野蛮な事を止めてというのが何とも、韓国文化において、オモニとアボジには逆らえないと言う事なんでしょう。なんだかエエ話です。