英国がNWOBHMに沸いた’80年。ドニントン・パークにて開催された第1回MONSTERS OF ROCKでヘッドライナーを務めたRAINBOWのライブの模様を収録する実況録音盤。(実際は順序が逆で、そもそもRAINBOWがトリを飾るに相応しいHMフェスとして考案されたのがMONSTERS OF ROCKだった…と後で教えて貰った時は結構驚きましたね) この時のメンバーは、リッチー・ブラックモア以下、グラハム・ボネット、コージー・パウエル、ロジャー・グローヴァー、ドン・エイリーという4th『DOWN TO EARTH』発表時の面々。個人的にRAINBOW史上最も愛して止まないこのクセの強いラインナップが、次々に名曲/名演を繰り出しながら、ステージ上でハイテンションに鎬を削り合う様を、聴き過ぎてヨレヨレになってしまったカセットテープ・クオリティではなく、公式にデジタル・リマスターされたパッキリと鮮明な音質で楽しめるこの幸せ。 特に、歌の最中で吹き出すわ、口笛を合唱させようとするわ(無茶振りにちゃんと応える観客が偉い)と、グラハムが絶好調。その勢いは時にリッチー御大すら食わんとする勢いで、歌唱自体は結構粗いのですが、その「勢いあり余ってる」感こそがやっさんの真骨頂。彼の歌う“STARGAZER”を始めとするロニー時代の名曲が聴けるのも超貴重ですし、何より本ライブを最後に脱退が確定していた盟友コージー渾身のドラム・ソロ終演後に炸裂する、万感の思い迸る3度の「コージー・パウエル!」コール(君どんだけコージーのこと好きやねんと)。ファンの間で伝説として語り継がれるこのグッとくる名場面を聴くためだけにでも、本作は絶対に購入すべき1枚であると。