デヴィッド・バイロンが病気療養中にジョン・ウェットンに歌わせてしまった、ヒープでは唯一ジョンのリード・ヴォーカルをフィーチャーしたナンバー。前作"Return to Fantasy"の王道回帰的音作りとは明らかに異なる、新たなサウンドを模索する手法が前面に打ち出された形となった。キッス、エアロスミス等、アメリカン・ロック勢の台頭が顕著になる時代の中、ブリティッシュ・ロックの危機的状況を救うべく彼らなりの新たな方向性が感じられる。中間部のコーラスでこれまでのヒープらしさもふと感じるが、アルバム・リリースから僅か2ヵ月後にはデヴィッド・バイロンの解雇が報じられたことを考えると、既にその前兆がこの曲に現れているようで何とも言いようのない寂しさをも感じてしまう。