哀愁漂う主題のフェイド・イントロから暗いです。何かただことじゃないですね。でもこの曲の奮因気は、凄く好きです。ひどいもので1日20回くらい聴いていたことがあります。 この曲、提示部のWettonの声と曲想があまりにはまり過ぎてます。この4分間だけで、参りました。しかしながら、その後の展開部以降も見逃せません。 展開部は、2つのパートがあり、対位法的なFrippの鬼気迫るguiterのリフ、brufordのpurcussionの部分とMel Collinsのsaxが混じる急速な部分に分けられていますが、怖い位緊張感が漂ってます。そして短くも効果的なコーダとなる再現部では、泣きたくなるくらいにsax、melotronが響き渡ります。空虚な悲鳴ですね。 こんな圧倒的な構成力を誇った曲は、あまり聴いたことがありません。本当にうちのめされました。 個人的には、''暗黒変奏曲(Variation on theme of starless)''と勝ってに呼ばせてもらい重宝させてもらってます。
1969年に“21ST CENTURY SCHIZOID MAN "で始まったキング・クリムゾンは1974年に“STARLESS"で一時代の幕を下ろす。 彼らが残した遺産はあまりにも巨大だった...。 この“STARLESS"はまさにそれ! 哀愁の漂ったイントロから始まって、ジョン・ウェットンの渋いヴォーカル、その後は、徐々に盛り上がり、演奏は頂点へ! この曲を聴いた後、自分の精神は漆黒の闇にたたずんでいます...
クリムゾン、奇跡の歴史的一大絵巻。 イントロで哀愁を帯びたメロトロンが沈黙から解き放たれる瞬間は鳥肌もの。その後陰鬱さが空気を支配する中になんとも言えぬまさにこの曲の語り手として選ばれし者ジョン・ウェットンの哀しくも力強い声がさらなる闇と美の世界を構築する。そして中間部から演奏主体になり、緊張感がより一層張り詰める。なんともヘヴィでグルーヴィなベースラインになんとも中毒的なギターリフがバンド全体をより煽るかのように執拗に暗くも美しいメロディを奏でる。そして急に火山が爆発したかのように疾走感が生まれ、狂気じみたサックスソロが待ちわびていたかのように闇と美の世界に放たれる。そして、最後のクライマックスはいよいよ「Starless」という果てしなく広がる聖なる闇の宇宙を創造する。これで「21st Century Schizoid Man」から始まったキング・クリムゾンという一つの混沌と美の世界が終りを告げる。