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TIR N'A N'OG
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解説 - TIR N'A N'OG
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1. Usher-to-the-ETHER ★★ (2014-04-23 20:49:10)

2012年発表の2曲入りEP。
自主制作にてリリースされた後、ポストブラック好きにはお馴染みのPest Productionが出時スリーブ仕様、500枚限定で再発。再発にあたり、アートワークも新調されてる模様です。…デジスリーブ仕様、大嫌いだわ…。取り出しにくいし保存性も悪いし正に誰得ってやつですよ…。

音楽性的には、一曲目の「Wisdom」が一部を除いてほとんどアコースティックな音で構成されている事からも分かる通り、ギターのノイジーな轟音だけでなく、アコースティックやクリーントーンの音色にも重きを置いた、叙情的で幻想的な作風。ヴォーカルも入れず、フォーキーな叙情メロディでファンタジックな光景を描き出すことに専念しているかのような音作り。作風が作風だけに、2曲でも30分以上の演奏時間がありボリュームも少なくは無いです。

特筆したいのは、作品の構成の上手さですね。まず1曲目「Wisdom」で聴き手と「ティル・ナ・ノグ」の情景を共有するかのように、丁寧にメロディを紡いでおいて、2曲目「Tir N’a N’Og」で風景的な世界観から、ポスト/シューゲイザーブラック特有の轟音と共にスピリチュアルな世界に離陸していく展開が秀逸。トレモロリフも伴うクライマックス部分は、聴き手の魂魄をバンドの描く情景に連れ去るかのよう。この部分はホント、聴いててゾクゾク来ましたね…。

ただ、トレモロフェチとしてはアコースティック・クリーントーン重視の音は若干物足りなく感じるのと、正直怒涛のクライマックスを迎えた後にちょっとダレを感じる部分があるので、個人的な好みのドツボとまでは行きませんでした。ただファンタジーな光景を聴き手と共有できる描写力の高さはかなりのものなので、その系等が好きな方にはお勧めできる作品。



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