1986年に発表した3rdアルバム『Reign in Blood』のオープニング・トラック。バンドのギタリスト、Jeff Hannemanによる歌詞で、ナチの医学者Josef Mengeleがアウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所で行った人体実験を下地としている。ナチの医師を描いたこの楽曲の発表は、Slayerを親ナチ主義、あるいは人種差別者であるとの批判に晒すことになった。
この曲に対する論争やアルバム『Reign in Blood』発表の延期をよそに「Angel of Death」はSlayerの各ライヴ・アルバムやビデオに収録され、映画の各サウンドトラックにも取り上げられた。また評論家からの評判もよく、オール・ミュージック・ガイドはこれを「クラシックである」と評し、CDジャーナルは「スラッシュ・メタル史上に残る名曲」「すべてが完璧」と評している。
「Angel of Death」はシングルとして発表されなかったこともあってチャートに入ることはなかったが、収録アルバム『Reign in Blood』に対するレビューの中で非常に高い評価を受けた。
Stylus MagazineのClay Jarvasはこう評している。「(この曲により)今日のファスト/ヘヴィな音楽を演奏するバンドは灰燼と帰すだろう。詞は襲いかかる恐怖を大枠としているが、それ以外の部分は音楽的な土台が固まっている。それは速く、引き締まっていて、素晴らしいものだ」
PopMattersのAdrien Begrandはこう述べている。「この見事な『Angel of Death』を越える歌は存在しないだろう。メタルの歴史において最高の記念碑的作品となる」