『OCTPUS』風のフロント・カバー/腕組ポーズの裏ジャケ、ドラムセットの再現具合から、本作の主役たるコージー村上のドラム・プレイに至るまで、どこを切っても「コージー・パウエル愛」が溢れ出すトリビュート・アルバム。 ツボを押さえた選曲も秀逸で、例えばRAINBOWでは定番曲を敢えて外し“LADY OF THE LAKE”や“DANGER ZONE”といった隠れた名曲をカヴァーしている辺りが、流石「マニア目線で作ったアルバム」と嬉しくなりますね。まぁ、どうせWHITESNAKEを演るなら“SLIDE IT IN”よりも“SLOW AN' EASY”とかが聴いてみたかった・・・とか思いますが。 リスペクトが長じて生み出された作品ゆえ、基本的に楽曲は完コピが大前提。そのためコージー御大に特に関心がない場合には「単なるカラオケ大会」に映りかねないのですが、逆にコージー及び参加ミュージシャン勢に思い入れがある人なら、コージー村上のドラミングを筆頭に、下山武徳のロニー、高谷学のデヴィカバ、井上貴史のトニー・マーティン、島紀史のリッチー、足立裕二のシェンカー、和嶋慎治のトニー・アイオミ、日下部正則のゲイリー・ムーアetc・・・と、参加各人の入魂のなりきりプレイに顔が綻ぶこと請け合いですよ。 作品の性格上、続編を出すのは難しいかもしれませんが、ならいっそのことHR/HMの名曲の数々をコージー風に叩いて『地上最強の渡り鳥/コージー・パウエルもし戦わば』的な企画盤を作ってみるってのは如何でしょう。だめか。