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HOPE (2007年)
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HOPE
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解説 - HOPE
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1. 火薬バカ一代 ★★★ (2021-04-21 23:48:29)

チュニジア出身という珍しさでも注目を集め、それだけに留まることなく、確かな実力とそれに裏打ちされた作品のクオリティをもって世界的人気を誇るようになったMYRATHの記念すべきデビュー作。’07年発表。
プロデューサーはADAGIOのKey奏者として知られるケヴィン・コッファート。バンドの人気拡大に大きな貢献を果たしたシンガー、ザヘル・ゾルガディ加入前の作品ゆえ、ここではエリエス・ブシューシャがKeyと兼任でVoも担当しています。いやしかしこれが全然悪くない。SYMPHONY Xのラッセル・アレンを想起させる歌いっぷりはリード・シンガーとしても立派に食っていけるレベルに達していますよ。
曲作りに関しては「複雑にするために複雑にしている」ドヤ顔感のある曲展開はやや未整理で、リズムに関しても比較的ストレートというか、彼ら独特の円を描くような(舞踏のステップを踏むような)リズム・ワークは然程目立っていません。曲によってはクラシカルなメロディ、デス声による咆哮、ブラスト・ビート等々の要素を取り入れた試行錯誤が、いかにも新人プログレ・メタル・バンドといった趣きで微笑ましいという。無論、既にアクセントの領域を越え、作品全体のカラーを決定付ける規模で導入されている妖しくしなやかなアラビックなメロディも大きな効果を上げていて、11分越えの⑤、8分越え⑧といった大作曲も(多少強引な部分はあれど)聴かせ切る演奏技術/作曲術も冴えています。
個性確立へと至る過渡期の作品とはいえ、ここでしか聴くことの出来ない音楽性がこれはこれで十分に魅力的に響く1枚。



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