まず、西川のりおを早送りしたかのようなイントロのリフにやや面食らう。 その攻撃的なリズムと、なだらかなメロディとが絡み合う様は、喩えるなら、ターボエンジンを搭載した西川のりおがスピーディーに「ツッタカター、ツッタカター……」と言っている横で、蝶の羽のようなものを身に付けた熊川哲也が満足気にニコニコ宙を舞う、夢の競演。 バッキングのギターはその音自体を聴くとメタル然としているが、相対的に音圧を抑えたことにより、冷製パスタにかけられた梅ドレッシングのような、爽やかささえ感じさせる。若干HELLOWEENの「I'M ALIVE」や「MARCH OF TIME」の影響下にあるようにも思えるそのポジティヴなメロディも、男がヒラヒラのスカートを履いたときの刺激にも似た爽快感を与えてくれる。 また間奏に関しては、攻撃的な速いソロ → ノリノリホーンセクション → 攻撃的な速いリフ、と展開が淀みない。喩えるなら、どうしても好きになれない奴がいて相当いがみ合っていたところちょっとしたきっかけで話してみたらこれが結構いい奴だったのでとっても仲良くなったけれどもすぐに「やっぱり嫌な奴だった」と悟り結局は殴り合った、みたいな感じとでもいえばいいか。いや、よくない。 ただ、多くの人が言及されているように、終わり方が不思議だ。黄緑のシャツと真っ赤なズボンでコーディネイトしたメシマコブみたいな感じだ。 どうでもいいことだけど、MDなどで編集するときは、この曲の後にBLIND GUARDIANの「IMAGINATIONS FROM THE OTHER SIDE」を入れると、雰囲気が出ていい感じになりますよ。