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ティンダーリアの種
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解説 - ティンダーリアの種
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1. Usher-to-the-ETHER ★★ (2007-02-28 17:42:00)

2007年発表の、ソロ名義では2枚目のフルレンスとなる作品。
ソロ名義の1枚目のアルバム「あしあとリズム」は、今までに各メディアに提供した曲と
新曲を収録した、音源集的な作品でしたが、今回のこのアルバムは全新曲、ノンタイアップの
完全新作で、「月追いの都市」と同様にファンタジー的なコンセプトがあるようです。
そのためか、「あしあとリズム」はMAPLE LEAF名義の作品と比べると提供メディアに
合わせた、ポップ性やコマーシャル性が強めな作風という印象でしたが、このアルバムを
リリースした事でソロ名義とML名義の作風の境界線が曖昧になった感じですね。
作風は今まで通りのファンタジー要素、民族要素をたっぷりと含んだポップスですが、
そういう縛りがあるにも関わらず、似たような曲が無く多様性がありながら、それでいて
アルバムの雰囲気に一貫性があるのは流石。アレンジは今までのMAPLE LEAFの路線を踏襲した
民族要素の強いものでありながら、更に洗練され、派手になった感じがします。ここら辺は
今回プロデュースや編曲、一部の作曲を担当する岩垂さんの貢献も大きいのかもしれません。
ちなみに、岩垂さんはグランディアなどのゲームの音楽を担当した事もあるようですね。
彼が作曲した「花祭りの娘」はかなりの名曲。日山さんの詞も本当に曲にピッタリで、
もはや霜月さんのコンセプト作品にはなくてはならないものになっているように思います。
壮大な風景描写から始まり、割とリラックスした雰囲気の前半から、8曲目辺りを境にして
プロデューサーの岩垂さん曰く「怒涛の展開」へと雪崩れ込んでいくという流れは実に
ドラマティックで、全部聴くとまるで大作RPGを一本プレイし終えたかのような充実感があります。
またヴォーカルも上手くなってますね。いや、声質は個人的にはこれ以上の人はいないと
断言できるくらい良いと思うし、以前から様々な声色を駆使してて上手いとは思ってましたが、
今回はどんな歌い方をしていても自信が漲っているような印象。ポップで楽しげな雰囲気を
醸し出す歌い方から、志方あきこさんのように多重コーラスを用いて畏怖の感情すら
呼び起こす歌い方まで様々な声色を使いこなしてます。…やっぱり、同人という商業から
ある程度離れたシーンで評価されてきた人だけに、創造性は非常に高いということでしょう。
個人的には、「ユラグソラ」を超えて生涯のアルバム10選に入るくらいの作品かもしれません。
しかし、特典で曲解説ブックレットが付いてきましたが、それによるとバックグラウンドにある
コンセプトの登場人物が「パセリ」「ソルト」とかなんですけど…そもそも「ティンダーリア」
自体が紅茶の銘柄(余談ですが、パセリっぽい味がするとか)ですし…「月追いの都市」の
「サーディン」といい、霜月さんって意外に食いしん坊なんでしょうか(笑)
彼女は尊敬するアーティストだけど、そう思うとなんだか可愛いかもしれません(笑)



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